『兄の名は、ジェシカ』 ジョン・ボイン
ジェイソンはサッカーが上手くて、クラスの人気者で、僕の自慢の兄さん。ある日、その兄さんが両親と僕(サム)の前で告白したんだ。自分はずっと男であることに違和感を感じていて苦しんできた、これからは女性として生きていきていきたいと。
両親は、単なる思春期のたわごとだと思い、彼の話を真剣に聞いてくれない。弟の僕は優しい兄さんが苦しんでいるのを見るのは嫌だけど、兄さんが兄さんでなくなってしまうのは嫌だ!と思っている。家族4人でカウンセラーの所で話をしても、両親も兄のジェイソンも自分の主張をするだけで、何の進展もない。ジェイソン兄さんは、そんな家族と一緒にいたくないと言い、ローズおばさんの家へ行ってしまった。
こういう話って、分かりたくない人にとってはとてつもなく分からない話なんだろうなぁって思います。友だちのことだったら冷静に話ができても自分の家族のこととなると、徹底的に「そんなはずはない!」「治らないのか!」と否定してしまう人が多いのだろうなぁと思います。
本当に辛くて悩んでいるのは本人なのに、「親の気持ちも知らないで」とか「世間体が悪い」なんて理由で話を聞いてもらえないのは、本当に切ないですね。
ジェイソンにはローズおばさんという理解者が現れたから、次のステップへ進めたけど、そういう人が現れなかったら、ノイローゼになってしまったり、最悪の場合死んでしまう人もいるのです。
サムは、最終的に「兄さんの名は、ジェシカだ」と言えるようになったけど、そこに至るまで随分悩んだんですよね。家族も、友達も、みんなでそれぞれの違いを理解しあえるようになるには時間がかかります。
LGBTやトランスジェンダーの問題だけでなく、人はそれぞれに違っているのです。いろんな考え方があり、いろんな感じ方があり、いろんな生き方があるのです。それをお互いに尊重しあいたいと思います。それこそが「愛」なのですから。
#兄の名はジェシカジョンボイントランスジェンダーLGBT #NetGalleyJP
1782冊目(今年87冊目)
« 『魔女たちは眠りを守る』 村山早紀 | トップページ | 『神宮道西入ル 謎解き京都のエフェメラル』 泉坂光輝 »
「英米」カテゴリの記事
- 『イラストで見る都市伝説の歴史』 アダム・オールサッチ・ボードマン 26-233-3992(2026.08.19)
- 『存在しない女たち 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』 キャロライン・クリアド=ペレス 26-185-3944(2026.07.03)
- 『ヒトラーのモデルはアメリカだった』 ジェイムズ・Q・ウィットマン 26-175-3934(2026.06.23)
- 『希望を運んだ図書館』 ローレン・H・カースティン 26-145-3904(2026.05.25)
- 『スカートと女性の歴史』 キンバリー・クリスマン=キャンベル 26-85-3844(2026.03.26)
「NetGalleyJP」カテゴリの記事
- 『咲く。宇野千代の生涯』 葉山由季 26-249-4008(2026.09.04)
- 『世界一かんたんで楽しい「貼る」ライフログ ジャンクジャーナルのはじめ方』島本彩子 26-213-3972(2026.07.31)
- 『自分の頭で考える』朝を待つための知見 26-196-3955(2026.07.14)
- 『フェザー』 マノン・ステファン・ロス 26-191-3950(2026.07.09)
- 『はじまりのスープ、夏ゼリー』 瀬尾まいこ 26-209-3968(2026.07.27)



コメント