『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 梨木香歩
不思議な地名が全国各地にあります。でもそれは、今の基準で考えてしまうから不思議なのであって、それぞれに何らかの所以があって付いているのがほとんどなのです。
例えば北海道の地名にはアイヌの言葉がたくさん登場します。大きな川が「ベツ」、小さな川が「ナイ」。「登別」「稚内」というような地名が確かに多いですね。
ちょっと気になって、わたしの父の故郷「江部乙」を調べてみたら「鮭がたくさんいるところ」という意味でした。父が子供の頃に正月用の新巻鮭を買いに行ったという話をしてくれたことを思い出しました。
地域によっては外国からの言葉だったり、ゆかりの人物の名前だったり、梨木さんは地名に惹かれて、様々な土地を訪れています。町村合併などによって地図から無くなってしまった地名でも、地元の人は昔のまま使っているところもあります。
湖でカヤックを漕ぐという描写を読んで、梨木さんの著書「水辺にて」を思い出しました。
家から身動きできなくなってしまった今、この本のようにいろんなところへ行ってみたいなぁと夢見てしまいます。そんな自由な日が来ることを信じて。
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