『不良妻権』 土屋賢二
「男の美学は女には分からない」と言い放つ以外に選択肢は残されていないのである。(本文より)
土屋センセイは教養高い方らしいのですが、とにかく奥様が怖い。何かを彼女のためと思って買っていくのですが、ことごとく「こんなに役に立たないものはいらない」と言われ、では役に立つものをと真剣に探して持っていくと、「こんなに高額なものは使えない」と怒られ、結局何もプレゼントできないでいると「何も買ってくれない」と奥様から言われるのです。
多分土屋センセイは奥様のことを考えると極度に緊張してしまって、冷静な判断ができなくなってしまうのではないでしょうか?それとも考え過ぎてしまうからいけないのでしょうか?
一生懸命に考えている時に奥様から声を掛けられて、返事をすることができなかったばっかりに怒られてしまうのでしょうか?
不器用なオジサンは世の中に大勢います。でも土屋センセイほど見事にその不器用さを文章化できる方はいないんじゃないかしら?
もっと肩の力を抜いてって言ってあげたいような気もするけれど、力が入り過ぎているところこそが土屋センセイの個性だとしたら、お邪魔をしちゃいけませんね(笑)
どんな不都合にも負けず、明るく生きている先生はエライ!
1787冊目(今年92冊目)
« 『弟の夫 1』 田亀源五郎 | トップページ | 『自分にイライラする!と思ったら読む本』 心屋仁之助 »
「日本の作家 た行」カテゴリの記事
- 『これはわたしの物語 橙書店の本棚から』 田尻久子 299(2023.10.27)
- 『怪談えほん4 ゆうれいのまち』 恒川光太郎 259(2023.09.16)
- 『その落語家、住所不定。』 立川こしら 247(2023.09.04)
- 『ある行旅死亡人の物語』 武田惇志、伊藤亜衣 249(2023.09.06)
- 『京都「私設圖書館」というライフスタイル』 田中厚生 244(2023.09.01)
コメント