『おいしくて泣くとき』 森沢明夫
心也くんのお父さんは大衆食堂をやっていて、貧困家庭の子どもたちに無料で「こども飯」を提供しています。
そこでご飯を食べていることが知られて。子どもが周りからいじめられたり、食堂をやっているお父さんが偽善者と言われたり。どうしてそんな酷いことをする人が世の中にはいるのでしょう。
貧乏であることが悪いことでもないし、貧しい人を助けようとすることも悪いことではないし。それが気に入らないと思うのは勝手ですが、だからと言って他人を平気で傷つけることが許されるわけがありません。
心也くんの同級生の夕花さんは貧しいだけでなくDVの被害者なのに、そういう子をイジメる同級生がいるって、ホントに悲しいです。
そんな中で、ワルぶっている石村くんが、いざとなったら正義感のある行動をできる人だったのは救いでした。
人から何と言われようと「こども飯」を続けているお父さん、それに反発しながらも、少しずつ理解していく心也くん。親の背中を見て子は育つというのは、こういうことなんだなって思いました。
心也くんは、心優しい人になりましたよ。お父さん。
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1806冊目(今年111冊目)
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