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『心を支えるシェイクスピアの言葉』 河合祥一郎

心を支えるシェイクスピアの言葉

河合祥一郎(かわい しょういちろう)

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人の悪事は、人が死んだあとも生き、善幸は骨とともに埋められてしまう。(ジュリアス・シーザー)
 善いことは忘れられてしまうが、悪事はずっと言い伝えられる、ということですかね。バカなことばかりしている今の政治家さんたちに捧げたい言葉です。

阿呆は己を賢いと思うが、賢者は己が阿呆と知っている。(お気に召すまま)
 ううむ、そのとおりなのです。己のバカさ加減をわかる人なら、そんなことしないだろうということだらけだから、つらい。

明けない夜はない。(マクベス)

何より肝心なのは、己に嘘をつくなということだ。(ハムレット)

現在のありように感謝しよう。そしてわれら人間にはかなわぬ問題は天に任せるのだ。(二人の貴公子)


そもそも、それ自体よいとか、悪いとかいうものはない。考え方一つだ。(ハムレット)

もし一年中毎日が遊んで暮らす休日ならば、遊ぶことは働くことと同じようにつまらなくなる。
しかし、滅多に来なければ、望まれてくることになる。(ヘンリー四世)

 新型コロナによる自粛生活でわかったことは、仕事や学校へ行っている方が楽だということだったり、いかにいままで無駄なことをしていたのかということだったり、家族と毎日食卓を囲めることの幸せだったり、改めていろんなことがわかったのです。

人はみな、大切なものを持っているときは、その大切さに気付かぬもの。ところが、それがなくなってみて初めて、かけがえのないものだったと気づき、それが自分のものだったときには気づかなかった大切さを知るのです。(から騒ぎ)

 やっぱり直接話をしないとダメだよねと出かけていた出張もなくなり、いやいや付き合っていた飲み会もなくなり、満員電車に乗らなくてもよくなり、あれ~これまで常識だと思っていたことが、ことごとく無くなってしまって、でもなんとかなるさということがわかってきました。

 もちろん、現場に行かなければならない仕事の人も大勢いますけど、そうではない人が増えれば、おのずと社会は変わっていくはずです。高い家賃やローンが必要な都会に固執する必要はなくなるし、会社員という概念すら変わってしまうはずです。仕事と遊びのバランスがあって、初めて人間らしい暮しができるのだと分かった人も多いはずだから、近い将来、田舎暮らしをする人も増えるでしょう。

 これまで当たり前だと思っていたことが無くなってしまったのは、神様から与えられた「立ち止まって考えなさい」ということなのかもしれません。

 まるで今の時代を見ているようなシェークスピアの言葉に、驚かされるばかりでした。

#心を支えるシェイクスピアの言葉 #NetGalleyJP 

1804冊目(今年109冊目)

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