『人生を狂わす名著50』 三宅香帆
面白い本というのと、記憶に残る本というのは微妙に違うところがあります。最初に読んだ時にはさほど気にならなかったことが、2度目に読んだ時にひっかかってくるなんてこともあります。何度読んでも、切なくて、苦しくて、でも大好きなのが「わたしを離さないで」と「悪童日記」です。この2冊は、わたしからも「みんな読んでね~!」とお勧めしたい本です。
この本で紹介された中で一番気になったのは『ものぐさ精神分析 岸田秀』 でした。この本、むかーし読んだはずなのですが、内容は全く覚えていません。でも、ここで紹介されていたこの一文に頭をガツンと殴られた気がします。
自己嫌悪の強い人というのは、自分の悪いところを客観的にみつめる良心的な人間であると自分では思いがちだけれども、実際には自分を客観的に見られない偽善者である。(本文より)
これは、もう一度読まなければと強く思いました。20代の時に読んだ本を再読したら、どう感じるのか?とても気になります。
未読の本で、まず読んでみようと思ったのは、『オリガ・モリソヴナの反語法 米原万里』です。
夢を糧に、わたしたちは生きながらえていた。
という言葉に痺れました!息が詰まりそうな毎日をどう生きるかと悩んでいる今、いつだって、どこだって、身動きとれない中で前へ進もうとしている人がいたんだ!という希望を、この本が見せてくれるような気がしたのです。以前から気になっていたのに、読まないで来てしまったこの本。ここで出会ったも運命!是非読んでみます!
自分と全く違う読書体験をした人から薦められる本というのは、未知との遭遇ですから、とてもワクワクしてしまうのです。今回読もうと思った本以外も、時間を見て少しずつ読んでいきたいと思います。
脳内麻薬を出させてくれる本との出会いがあれば、退屈なんて言葉は不要です。
この本で紹介された50冊中、これまでに読んだことがある本は7冊(☆印)でした。そして、読んでみたいと思ったのは11冊(◎印)でした。
また、読みたい本が増えて困る~(笑)
01『高慢と偏見』ジェイン・オースティン
02『フラニーとズーイ』J.D.サリンジャー
03『眠り(『TVピープル』所収)』村上春樹
☆04『図書館戦争』有川浩
◎05『オリガ・モリソヴナの反語法』米原万里
06『スティル・ライフ』池澤夏樹
☆07『人間の大地』サン=テグジュペリ
☆08『グレート・ギャツビー』スコット・フィッツジェラルド
09『愛という病』中村うさぎ
◎10『眠れる美女』川端康成
11『月と六ペンス』サマセット・モーム
12『イメージを読む』若桑みどり
13『やさしい訴え』小川洋子
14『美しい星』三島由紀夫
15『死の棘』島尾敏雄
16『ヴィヨンの妻』太宰治
☆17『悪童日記』アゴタ・クリストフ
◎18『そして五人がいなくなる』はやみねかおる
◎19『クローディアの秘密』E.L.カニグズバーグ
◎20『ぼくは勉強ができない』山田詠美
◎21『おとなの進路教室。』山田ズーニー
◎22『初心者のための「文学」』大塚英志
23『妊娠小説』斎藤美奈子
24『人間の建設』小林秀雄・岡潔
25『時間の比較社会学』真木悠介
◎26『コミュニケーション不全症候群』中島梓
◎27『枠組み外しの旅「個性化」が変える福祉社会』竹端寛
28『燃えよ剣』司馬遼太郎
29『堕落論』坂口安吾
30『アウサイダー』コリン・ウィルソン
◎31『ものぐさ精神分析』岸田秀
32『夜中の薔薇』向田邦子
33『東京を生きる』雨宮まみ
34『すてきなひとりぼっち』谷川俊太郎
35『チョコレート語訳みだれ髪』俵万智、与謝野晶子
◎36『ぼおるぺん古事記』こうの史代
37『百日紅』杉浦日向子
38『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度跳ねる』水城せとな
39『二日月(山岸凉子スペシャルセレクション8)』山岸凉子
40『イグアナの娘』萩尾望都
41『氷点』三浦綾子
42『約束された場所で』村上春樹
43『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ
44『春にして君を離れ』アガサ・クリスティー
☆45『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ
☆46『光の帝国―常野物語』恩田陸
47『なんて素敵にジャパネスク』氷室冴子
48『恋する伊勢物語』俵万智
49『こころ』夏目漱石
☆50『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ
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