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『Winning Alone(ウィニング・アローン)』 為末大

Winning Alone (ウィニング・アローン)
自己理解のパフォーマンス論

為末大(ためすえ だい)

NetGalleyJP

 為末さんはオリンピックの400mハードルで銅メダルを2つ獲得されています。ほとんどの選手はコーチをつけ、トレーニングを計画してもらい、実行していきますが、為末さんはコーチをつけていません。ですから、自分のコンディション維持やトレーニングについて様々なことを自分で考え、決めてきました。その中で彼が気がついたこと、考えたことを文章化してきました。

言葉で表現できない人間は、うまくいっているときはいいが、つまずいたときに内側に課題を抱えることが多い。言葉にできるということは、混沌の中から何かを切り分けてそれを眺められるということだ。客観視できなければ何が課題だと自分が思っているかが理解できない。(本文より)

 スポーツをする人は、とかく長時間練習することで安心してしまっていることが多いのです。でも、それでいいのか?ということを考える必要があるのです。コーチから要求されたトレーニングをただ実行するのではなく、それが自分の身体のどの部分にどのように効いてくるのかを理解する必要があるのです。

日本人の最大の特徴は継続できることだと思う。継続とは我慢であり、執着でもあり、また決断ができないことでもある。

 日本人は真面目なんです。そのせいで我慢を強いられてしまうことが多いんですけど、よく考えてみると自分がやめようと決断しなかっただけってことが多いのですよね。これはスポーツに限らず、あらゆるところに当てはまる問題なんだと思います。

そしてどんな指導者も万能ではない。問題を解決するのも、ヴィジョンを描くのも、結局は選手本人である。他人に依存した瞬間に、それは自分の競技人生ではなくなる。

 こういう考え方を持つことができたからこそ、為末さんはオリンピックでメダルを取れたのだと思います。どんなに才能があろうと、いいコーチを付けようと、ちゃんと考えることができない人は成果を上げられないのです。そして、選手としての人生が終わった後、指導者として生きるにせよ、違う仕事をするにせよ、自分で考える、自分で決断することが必要なのです。

 為末さんは、きっとこれからも素晴らしい仕事をされるだろうと期待しています。

#ウィニングアローン #NetGalleyJP

1795冊目(今年100冊目)

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