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『未来の地図帳』 河合雅司

Mirainotizutyo

未来の地図帳

河合雅司(かわい まさし)

講談社現代新書 2524

「未来の年表」では、日本社会で起きえる課題を「人口減少カレンダー」として、続編の 「未来の年表2」では「人口減少カタログ」として描くことで、体系的にとらえる試みを行った。(はじめに より)

 そして、この本では日本地図を見ながら、どのように人口が減少していくのかを予測しています。

 日本の人口が減り続けるということは疑いのない事実です。でも、その減り方は一律ではないのです。日本全国の人口は減り続けるのに、東京だけ人口が増えるという試算がされています。そして、東京といっても、23区内の一部の区の人口が増えるのであって、多摩地区を始めとする東京の多くの地域で人口は減っていくとこの本では予測しています。

 この本が書かれたのは2019年です。コロナ禍によって状況は少し変わってきたような気がします。都内に大きなオフィスを構える必要はないと考えている企業も増えました。テレワークしようにも自分の部屋すらない今の居住空間を見直して、郊外でゆったり暮らそうかと考えるようになった人も増えています。でも、人口減少はそう簡単に改善されるわけではありません。

 人口が減少し、特に若者の人口が減ると地方自治体の税収が減ります。現在の47都道府県やら、地方自治体を維持していけなくなりそうだという予測は、間違いなくそうなっていくでしょう。

 寿命が延びたこと自体は良いことですけど、自力で生きていくことができない人が増えるというマイナス面を真剣に考えてこなかったツケが、これからの日本の首を絞めていくのは間違いありません。

 この本の中で提案されていた、ショッピングモールに住宅を併設するという考え方は面白いかもしれません。1階に商店や医療機関、2階に住居というような構造であれば、買い物難民をなくすことができるでしょう。

 歩ける範囲で生活して行けるように町を作るというのは、これからの日本にとってとても大事なことです。

 それにしても日本の政府というのは、どうしてこんなにも後手後手なのでしょうね?自分の子どもや孫の世代に負債を残すことを何とも思ってないのかしら?

1827冊目(今年132冊目)

未来の年表
未来の年表2
未来の地図帳
未来のドリル コロナが見せた日本の弱点

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