『そこにはいない男たちについて』 井上荒野
料理教室を主宰(しゅさい)している実日子(みかこ)は、一年前、突然夫を亡くした。
悲しみの中しばらく教室を閉めていたが、 助手のゆかりのサポートもあり、やっと再開した。
一方、不動産鑑定士の夫が大嫌いになってしまったまりは、 友人の誘いで、実日子の教室に通うことになった。
まりは、マッチングアプリで出会った星野とデートを重ねていたが……(内容紹介より)
実日子さんは急に亡くなってしまった夫のことを忘れられず、まりさんは一緒に住んでいるのに心が離れてしまった夫のことが嫌でたまらない。どちらも、思うようにならない男に心を煩わされています。
嫌なら別れればいいのにと言われても、その踏ん切りがつかないまりさんのような人は、きっと大勢いるのでしょうね。金銭的なことや、世間体や、いろんな理由があるけれど、やっぱりその原因は自分の心。エイッという踏ん切りをつけるのが難しいのです。
夫を亡くした実日子さんは、ずっと悲しい気持ちを引きずってきたけれど、少しずつ立ち直りかけています。悲しみには日薬といいますけど、時間が少しずつ心を癒してくれているのかしら?
嫌な人と思っていた男に意外と依存していたとか、隣にいる時には気づかなかった優しさとか、「そこにはいない男」に心乱されてしまう女、これは永遠のテーマなのかしらね。
#そこにはいない男たちについて #NetGalleyJP
1839冊目(今年144冊目)
« 『かへ』 藤井慶 | トップページ | 『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』 庭田杏珠 渡邉英徳 »
「日本の作家 あ行」カテゴリの記事
- 『新書へのとびら 第1部 現代新書はいかにして現代新書になったのか』 魚住昭 24-347-3373(2024.12.07)
- 『あなたが独りで倒れて困ること30』 太田垣章子 24-333-3359(2024.11.23)
- 『ヒストリエ 10』 岩明均 24-334-3360(2024.11.24)
- 『銀座「四宝堂」文房具店 Ⅲ』 上田健次 24-338-3364(2024.11.28)
- 『復興の書店』 稲泉連 24-326-3352(2024.11.16)
「NetGalleyJP」カテゴリの記事
- 『夜の金糸雀 おくり絵師』 森明日香 24-353-3379(2024.12.13)
- 『新書へのとびら 第1部 現代新書はいかにして現代新書になったのか』 魚住昭 24-347-3373(2024.12.07)
- 『朝読みのライスおばさん』 長江優子 みずうちさとみ 24-336-3362(2024.11.26)
- 『がいとうのひっこし』 山田彩央里 、山田和明 24-318-3344(2024.11.08)
コメント