『お寺の掲示板』 江田智昭
お寺の入口の掲示板に書かれた言葉を目にして、へぇ~って思うことが良くあります。お釈迦様の言葉もあれば、時節柄を反映した言葉もあります。同じ言葉でも、その時の気持ちによって受け止め方が変わるし、ドキッとするときやニヤっとすることもあります。
終活することと
あなたの成仏は無関係です。
最近「終活」を気にする人が増えてきました。「死後に迷惑をかけないように」という気持ちから終活を行う方が増えています。世間のこのような流行に対して、掲示板にこの言葉を書かれた方は、「迷惑をかける」ということに関して思い違いをしてる方が多いのではないか言われています。
生きていれば誰だって周りの人に迷惑をかけているんです。ひとりで何でもできるわけじゃないんです。死後の迷惑のことだけを考えるのは単なるエゴだよというのです。
本当に考えるべきことは、迷惑をかけて生き続けているのだから、それを感謝しながら生きること。それこそが大事なことだというのです。感謝して毎日を暮らしているなら、死後のことなど心配する必要はないのです。
言っていることでなく、
やっていることが
その人の正体
最近、これを実感することばかりです。言葉だけ立派でも行いが伴っていない人たちの情けなさ。正直とか真面目さが日本人の美徳だったはずなのに、嘘ばっかりついている人がどうしてこんなに大勢いるのでしょう?
のぞみはありませんが
ひかりはあります
これは、最終ののぞみに乗れなかったときに、駅員さんに言われた言葉なのだそうです。新幹線のことを説明してくれた言葉が、なぜか人生のことについて教えてもらったような気持ちになってしまいます。今は上手くいかなくても、ずぅっと先の方に一筋の光が見えたら、それを目標にして人は生きていける。そんな不思議な言葉です。
人生に大切なのは、
何回呼吸するかではなく
何度息をのむ瞬間に出逢えるかよ by Beyonce
これはマイケル・ジャクソンが亡くなった時にビヨンセが言った言葉なのだそうです。これもまた深い意味を感じます。ただ長く生きることが大事なのではなく、どれだけ感動することができるか、それが大事なのという言葉は、マイケルに対する最大の賛辞ですよね。
こういう言葉をお寺の掲示板に書いた方のセンスの良さを感じます。素晴らしい言葉というのは、国も宗教も関係ないのですよね。
これでいいのだ
バカボンのパパのこの一言、ホントに含蓄のある言葉です。
上手くいったことに「これでいいのだ」。
上手くいかなかったことに「これでいいのだ」。
何があろうと「これでいいのだ」。
この本を読んで、お寺の掲示板にどんなことが書かれているのか、ますます興味が湧いてきました。
1829冊目(今年134冊目)
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