『跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング』 前川ほまれ
気ままなフリーター生活を送る浅井航は、ひょんなことから飲み屋で知り合った笹川啓介の会社「デッドモーニング」で働くことになる。そこは、孤立死や自殺など、わけありの死に方をした人たちの部屋を片付ける、特殊清掃専門の会社だった。
「寿司を食いたい。でも我慢」と書き残して孤立死した老人。趣味の登山ブーツに遺書を忍ばせて自殺した会社員。同居している家族がいるにもかかわらず、死後2週間経つまで発見されなかった男性。クリスマスイヴに遺品整理を依頼してきた女性。そして、幼い子どもを道連れに心中した母親。死の痕跡がありありと残された現場に衝撃を受け、失敗つづきの浅井だったが、飄々としている笹川も何かを抱えているようで―——。(内容紹介より)
病院や自宅で誰かに看取られる死というのが世間一般で考える死ですけど、実際にはそうでない死が数多くあるのです。自殺であったり、自然死であったり、いずれにしても死後すぐに発見してもらえないと、死んだ場所は大変なことになってしまうのです。
そんな部屋の清掃をするのは実に大変な作業なんですが、その割には大事に考えてもらえていないのだなということにショックを受けました。臭いがひどいから早く掃除しろとか、こんなに費用が掛かるのかとか、結構勝手なことを言われるんですねぇ。
その部屋の大家さんとか家族などが、死んだ人のことを悲しむとか悼むというよりも、勝手に死んで迷惑だと思っていることが多いのが、ホントに悲しいです。
独居の場合だけでなく、同居している家族がいるのに死後何日も気づかれないことがあるというのにもビックリしました。これから増えるであろう孤独死は、深刻な社会問題だなと思います。
主人公の航くん、最初は腰が引けてたけど、少しずつ人間の尊厳ということに目覚めていくところが面白いなぁと思いました。こういう職業の方がこれから増えていくのでしょうね。大変な仕事だけれど、使命感を持って働くということの大事さを感じました。
自分自身の老後のことを考えると、毎日誰かに会うようにするとか、何日かに一度は友達に連絡するようにして、もし連絡が来なかったら様子を見に来てくださいとお願いすることも大事だなと思いました。そういう意味でも、とても大事なことを教えてくれた作品だと思います。
#跡を消す #NetGalleyJP
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