『すーちゃんの恋』 益田ミリ
前作の「どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心」でカフェの店長さんを辞めたすーちゃんは、保育園で調理師として働くことになりました。これまでは店長さんだったから一番年上で、若い子たちに気を使ってきたけれど、新しい職場ではすーちゃんが一番の若手です。
保育園のお庭で作っている野菜を収穫しながら子どもたちと話をしたり、絵本を参考にしたメニューを作ったり、新しい仕事を楽しむことができるようになってきて、それなりに充実した生活を送っているすーちゃんです。
仕事が終わって、ひとりでご飯を食べていると、37歳の自分にとって、結婚とか子どもを生めるのかとか、モヤモヤした気持ちが湧いてくるんです。そんなすーちゃんに、気になる男性が現れました。
このくらいの年齢って一番難しい時期なのかもね。子供の頃に思っていた37歳って、結婚していて子どもがいて、という感じだったんだろうけど、現実の自分はそうなっていないというギャップについていけない気持ちになっちゃうんだろうなぁ。
でも、店長さんだった頃に比べたら、ちゃんとした上司にも恵まれたし、人間らしい暮しになってきてるような気がします。
保育園の子どもたちを見ていると、いろんな子がいます。でも、誰が正しいってわけじゃなくて、それぞれの生き方をしてるんだってことなのよね。すーちゃんも、すーちゃんの生き方をしていけばいいのよねって、子どもたちに教えられているような気がします。
1862冊目(今年167冊目)
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