『魔法をかける編集』 藤本智士
東京と地方の間には、よくもわるくも格差があります。テレビというマスメディアから流れてくる情報は、東京という特殊なローカル情報なんだと認識して、自らの土地に根差したビジョンを描くことが、いま僕たちには必要なんです。(本文より)
東京に住んでいるわたしがいつもビックリしてしまうのは、どこかへ旅行して、ちょっと食事とか買い物と思って駅前やショッピングセンターへ行ってみると、どこへ行っても大手資本のチェーン店ばっかりだということです。その土地ならではのものに出会えるお店がホントに減ってしまっています。
みんな東京と同じがいいって勘違いしてるんじゃないかしら?そんなことして日本全国同じになっちゃったら、結局東京しか残らなくなっちゃうよって思うんです。
秋田は、一戸建て率81パーセント、さらに、1人当たり居住室の畳数が、17.23畳と、ともに日本一(平成25年 総務省統計局 住宅・土地統計調査より)。これぞ人口減がもたらす豊かさの象徴です。
誰が煽っているんだかしらないけど、みんな東京へ行こう!東京都同じになろう!なんていうことを考えちゃダメですよ。地方にとっても良くないし、東京にとっても良くないんです。地方の過疎化も、都会の地価上昇も、少子化も、みんなそこが原因なんだと思うな。
コロナ禍のおかげでいろんなことが分かりました。満員電車に乗ってオフィスに通わなくてもいいってことや、自分の家の環境を良くしないと在宅ワークすらできないってこと。そして、東京に住んでいるとお盆に田舎に帰れなくなっちゃうという悲劇。こんなことしてるなら、地元で働いた方がいいじゃないって思う人が増えたはずです。
これまで無駄だと思っていたことが、決して無駄じゃなかったこと。これまでカッコいいと思っていたことが、実はカッコ悪かったということ。この本が出版されたのは2017年ですけど、今の時代を予見していたような気がします。
地方を活性化させるのも、新商品を開発するのも、それまでになかった考え方をするという所から始まります。新しい考え方で、これまでになかった組合せを考える。これまで当たり前と思っていたことを疑ってみる。そこから何かが生まれるのです。
1882冊目(今年187冊目)
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