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『彼女が天使でなくなる日』 寺地はるな

彼女が天使でなくなる日

寺地はるな(てらち はるな)

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九州北部にある人口300人の星母(ほしも)島。そこで育った千尋は、1年前に戻ってきて、託児所を併設した民宿を営んでいた。島には「母子岩」と呼ばれる名所があり、家族・子供・友達のこと……悩みを抱えたひとびとがそのご利益を求めて訪れる。千尋は島の人々とお客さんと触れ合いながら、自らの過去と今を深く見つめていく。(内容紹介より)


 千尋はなぜか子供には好かれるから、子供を預かる託児所の仕事をしています。でも大人に対しては無表情で事務的な口調で話すから、初めて会う人からは不愛想な人だと思われがち。でも島の人たちは千尋のことをよく知っているから、みんな気持ちよく付き合ってくれるんです。

 島を離れて働いていたころに知り合った麦生は、そんな千尋のことが大好きで、彼女と一緒に暮らしています。


 仕事をしている間、子供を千尋の所に預けている人がいます。子供を自分1人で育てられなくて千尋の所に預けている人がいます。千尋の民宿の噂を聞きつけてやってくる子連れの母親がいます。それぞれの事情があって、それぞれの生き方があって、それぞれの悩みがあるのです。


 子供は親が育てなくっちゃとか、いろんな子がいるから扱い方もいろいろなんだよと他人は言うけれど、どうしていいのか分らなくなっている親は大勢います。ひとりで悩んで、子供にあたってしまってゴメンと思いながらも、結局誰にも相談できなくて、ひとりで苦しんでしまう人たち。そんな人達が千尋に会うと、なぜか救われるような気持ちになるのです。


 完璧な人なんていないんだから、つらかったらつらいって誰かに言えばいいのよね。家族に言ってもわかってもらえないなら、別の人に言ってみればいい。どこかにわかってくれる人がきっといる。とにかく、ひとりで悩んじゃダメだよ。って気持ちになりました。

#彼女が天使でなくなる日 #NetGalleyJP

1881冊目(今年186冊目)

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