『ぼくのすきなせんせい』 青本雪平
セナは家出をして札幌のバスターミナルまでやってきたんだけど、チケットが買えなくて困っていた。その姿を見て声を掛けてきた男がいた。とても怪しい男なのでどうしようかと思ったけど、車に乗せてくれるというので、函館まで一緒に行くことになった。
車の中でキヨシローの曲を聞きながら、男は自分の子ども時代の話を始めて、その話を聞いているうちにセナはちょっと怖くなってきた。
最初から怖そうな男なんだから、それなりに覚悟して車に乗ったのかと思ったら、意外と何も考えてなかったのね。まぁ、家出して函館まで行きたいわけだから、この男についていくしかないかなって思ったのかな?
男の身の上話を聞いているうちに、セナはその話が自分の身の上と重なるような気がしてたんだろうなぁ。どこかに同じ匂いを感じていたのかもしれない。
ほとんど車の中だけで話は展開していくんだけど、このままドラマにしても面白そうだなって思った。
この物語を読んでる間、ずっとキヨシローの「ぼくの好きな先生」が頭の中で鳴っていた。
”ぼくには大好きな先生がいたけど、今はいない。”
そんな気持ちになった。
途中で読むのをやめられなくなって、一気読みした。
1878冊目(今年183冊目)
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