『絶望スクール 池袋ウエストゲートパーク XV 15』 石田衣良
〇目白キャットキラー
動物虐待をネットで自慢するとんでもない奴がいる。それを止めさせたいと頑張る子がいる。でも、悪い奴は自分が悪いことをしているという自覚がないんだよね。
〇西池袋ドリンクドライバー
通学路を暴走する高級車。何を勘違いしてるんだろう?スピードを出したいならサーキットへ行けばいい。自分だけは交通事故を起こさないと勘違いしているバカには、自分も痛い目に遭ってもらうしかないんだろうか?
〇要町ホームベース
引きこもりの子どもを自立させるための更生施設なんていうと、親はかなりな金額でも無理して工面してしまうというところに目を付けたブラックな施設って、きっと実際にもあるんでしょうね。こういう所で発生する問題って、なかなか親は警察に訴えないから、泣き寝入りしている人たちがきっと大勢いるんだろうなぁ。
ここに登場した少年は、障碍者施設の人たちと出会って何かに気付けたから、きっと少しずつ社会に出て行けるだろうけど、そういうラッキーな子はなかなかいないだろうなぁ。
〇絶望スクール
外国人留学生が大勢いる外国語学校が池袋にもあって、そこで斡旋してもらったバイトの子がどうも他所でも働いているらしい。だとしたら法律違反なので、その外国語学校を調べて欲しいという。
借金をして日本にやってきて、バイトしたお金は家族に仕送りし、いつまでも返せない借金のために劣悪な環境で働き続けている。コロナ禍になる前、コンビニや飲食店のバイトの子がいつの間にか外国人ばかりになってました。この話を読んでいると、その秘密が分かってきます。なるほどねぇ、そうやって安い労働力を集めていたのか。人のことを人だと思っていない悪い奴らが考えたシステムなんだね。
どれもこれも、今どきのブラックな人たちに苦しまされている人々のお話なんだけど、どれをとっても警察にお願いしただけではなかなかカタが付かないものばかりです。
マコトは相変わらず親身になって事件を解決しようと努力しているけれど、今回はタカシの力を借りることが多かったですね。それだけブラックな人たちが組織化しているということなのでしょう。
タカシのグループの子たちも、大人になり家庭を持つようになって、タカシの考え方も随分変わってきましたね。相変わらずクールだけど、義理人情は忘れていない。特にマコトの母親には絶対的な恩義を感じてるんだなぁ。やっぱり、いい奴なんだよタカシもマコトもね。
1892冊目(今年197冊目)
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