『トムは真夜中の庭で』 フィリッパ・ピアス
弟のピーターがはしかにかかってしまって、トムはアランおじさん夫婦のアパートのところでしばらく暮らすことになりました。おじさんのアパートの大家さんのバーソロミュー夫人は気難しい人だから、うるさくしちゃいけないと言われて昼間だって外で遊べません。なのに、おじさんは子供は10時間も寝なければいけないというのです。
そんなこと言ったって無理です。トムは体力はあり余っているし、退屈してるんですもの。夜になるとこっそり部屋を抜け出して、裏口から外へ出てみたのです。
そこには緑がいっぱいの庭がありました。庭の先には家があって、そこにはトムと同じくらいの年の男の子が3人と、少し年下の女の子がいました。でも、みんなトムが見えないらしいのです。ただ一人、女の子だけがトムに気付いて声を掛けてきました。女の子はハティという名前でした。
トムはハティと過ごす時間が楽しくて、ハティがどんな子なのか知りたくて、夜な夜な部屋を抜け出して、裏の庭へと遊びに行ったのです。
この本を読みだながら感じたのは、イギリスという国の人たちにとって庭の木や花というのは重要なものなんだなってことです。小さな家でも花壇があって、木が植えられていて、生垣があって、という景色を思い出しました。
最後に明かされたハティの秘密に、とても驚かされ、嬉しくなりました。
こういう本を大人になってから読むというのも、なかなかいいものだなって思います。
1900冊目(今年205冊目)
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