『ほんとうの空色』 バラージュ・ベーラ
フェルコーは洗濯屋をしているお母さんと2人暮らしです。お母さんが選択してアイロンをかけて、フェルコーがお客さんの所に届ける仕事をしています。だから、いつも忙しくて勉強する暇なんかありません。なのに勉強しないといって学校で怒られてばかりです。
絵を描きたいけど絵具が買えなくて、友達に絵具を貸してくれたら絵を描いてあげるよと言って絵を描いています。でも、青の絵具がなくなってしまったのです。いくら探しても見つかりません。ねずみに食べられちゃったのかもしれません。
どうしようと思って悩んでいたら、不思議な用務員さんから「ほんとうの空色」を作ることができる花のことを教わりました。その花を摘んで帰って、「ほんとうの空色」を作り、絵を描きました。
「ほんとうの空色」って、不思議なものです。これがホントにあったら、どこに塗りましょうか?紙の上だけじゃもったいないから、天井に塗りましょうか?それとも家の外壁に塗りましょうか?
絵を描くのが好きな子がこの本を読んだら、きっと絵描きさんになったでしょう。
音楽を好きな子が読んだら、きっとすてきな曲を作って歌ってくれたでしょう。
大人になっちゃったわたしは、この本を読んで、きれいな青空が描かれた絵を見たくなりました。
この本を読んだら、いろんなことをしたくなっちゃう。そんなすてきな本でした。
1910冊目(今年215冊目)
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