『イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン15』 小路 幸也
芽莉依(めりい)ちゃんと研人くんは、高校を卒業したらすぐに結婚するって言ってます。とはいっても芽莉依ちゃんは大学へ行く予定なので、結婚式は大学を卒業してからなんですって。
今は横須賀の老人施設で暮らすかずみさんが、同じ施設に住む都さんという人と仲良くなって、その方の家にある本を引き取って欲しいという話が持ち上がりました。亡くなった旦那さんがかつて古書店をやっていて、かなりな量の本があるのですが、家を売ることになって、放っておいたら全部捨てられてしまうので、そうなる前に東京バンドワゴンに引き取ってもらいたいというのです。
若い人たちは進学したり、就職したり、結婚したりして、新しい生活が始まっていきます。年取った人たちは、家族が亡くなったり、それまで暮らしていた家を片付けたり、これもまた新しい生活が始まっていくのです。みんな様々な理由で変化をしていくのです。
どんな変化をしていこうと、戻れる家がある人は幸せです。幸せな時も、不幸な時も、それを共に感じ、語り合える人がいるのは幸せです。人は1人では生きていけないのです。バンドワゴンの皆さんに再開するたびに、どんな時も、誰かのおかげで生きていられるんだってことを忘れちゃいけないなって思います。
この4作品が収められています。
夏 絵も言われぬ縁結び
秋 元のあなたの空遠く
冬 線が一本あったとさ
春 イエロー・サブマリン
1915冊目(今年220冊目)
« 『マリコ、うまくいくよ』 益田ミリ | トップページ | 『きのう何食べた? 17』 よしながふみ »
「日本の作家 さ行」カテゴリの記事
- 『ホテルローヤル』 桜木紫乃 202(2022.07.28)
- 『小説天気の子』 新海誠(2022.07.20)
- 『音読でたのしむ思い出の童謡・唱歌 令和に伝えたい心に響く歌101』 斉藤孝(2022.07.09)
- 『ひらめかない人のためのイノベーションの技法』 篠原信(2022.06.27)
- 『じゅんくんの学校』 福田隆浩 ささめやゆき(2022.06.14)
コメント