『ヘディングはおもに頭で』 西崎憲
「松永おん」は浪人生。弁当屋でバイトをしながら3度目の大学受験を目指しています。控えめな性格で、人付き合いが苦手です。最近フットサルを始めました。自分は運動神経悪いしって思ってて、最初は友達に誘われて嫌々やってみたんですけど、やっているうちにこういうの好きだなって思って、スクールにも入りました。少しずつ上手くなってきて、最近はフットサルが生き甲斐みたいになってます。
おんクンみたいに、自分に自信が持てない青年男子って増えてるのでしょうか?女子のしたたかさと比べると、とても弱弱しい生き物だなって感じます。やる前から諦めちゃうっていう習慣がついちゃってるのは、なぜなのでしょう?
でも、おんクンはフットサルに出会えてから、ちょっと考え方が変わってきたのかな。それまでできなかったことも、練習を重ねればできるようになるという体験が、彼に変化をもたらしたみたいです。
フットサルを始めてやってみて、最初は走るだけでゼーゼーしてたのに、少しやってみたら「あれっ、自分はこういうのが好きかもしれない?」って気がついたところ、何だか分かるなぁ。わたしもそういう体験があるんです。こういうのムリかなぁってやってみたら、そんなにできるわけじゃないけど楽しいって思えて、それで好きになることってあるんですよね。
フットサルは見ることからはじまる。(本文より)
おんクンはフットサルを一緒にプレイする仲間たちを見て、いろんなことを感じます。優しい人、意地悪な人、何を考えているのか分からない人、初心者を見下した態度を取る人、絶対にパスをくれない人、一緒にプレイして楽しい人、いろんな人がいます。そこまで酷いことしなくったっていいじゃないかと思う時もあれば、自分はズルいなって思う時もあります。
必死に見ることで、今まで気がつかなかったことが見えてきたのかな?フットサル以外のことも、受験や、バイトや、家族のことが今までと違う角度から見ることができるようになったのかもしれません。だから、間違いなく彼は変わってきたんです。これまで囚われてきた考え方から、一歩踏み出せそうです。
当面の問題はフェイントがかけられないってことだけど、それも練習あるのみ。
きっと、できるようになるから、そしたら、また違う世界が見えてくるよ。
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