『自分の小さな「箱」から脱出する方法』 アービンジャー・インスティチュート(再読)
お互いにやっていることや自己正当性が、あまりに完璧で調和がとれているものだから、まるで共謀しているとしか思えない。だから、互いに相手に対して箱に入っている複数の人間がいて、お互いの感情に背きあっている状態を「共謀」と呼ぶの。共謀というのはつまり、互いに相手がひどいことをしていると非難しあっている状態のことなの。(本文より)
この本を読むのは何回目だろう?読んですぐは必ず反省するのに、しばらくすると忘れてしまう。だから何年かに1度読み返すことになるのだろう。
読み返すたびに、「その通りだ、わたしは箱の中に閉じこもっていた」と気がつき、誰かのことを非難していたことを反省する。あの人がああいう行動をするのを止める権利は誰にもないのだと気がつく。それを嫌だと思うのは、あくまでもわたしの勝手であって、それが正義とは限らない。自分の考えがすべて正義だと思い込んでいた自分の情けなさを感じたとき、わたしは「箱」から抜け出すことができる。
問題なのは、自分が間違ったことをしていると認めることを嫌がっているということ。
自分で自分を裏切ったから、それを誰かのせいにしようとしているだけ。
変えられるのは自分と未来だけだということを、どうして忘れてしまうのか?
わたしの力では他人と過去は変えられないのだ。
でも、自分が変わると、他人と過去も変わる。
あなたの中の「自己欺瞞」がトラブルを呼ぶ
知っておくべきこと
- 自分への裏切りは、自己欺瞞へ、さらには箱へとつながっていく。
- 箱の中にいると、業績向上に気持ちを集中することができなくなる。
- 自分が人にどのような影響を及ぼすか、成功できるかどうかは、すべて箱の外に出ているか否かにかかっている。
- 他の人々に抵抗するのをやめたとき、箱の外に出ることができる。
知ったことに即して生きること
- 完璧であろうと思うな。よりよくなろうと思え。
- すでにそのことを知っている人以外には、箱などの言葉を使うな。自分自身の生活に、この原則を活かせ。
- 他の人々の箱を見つけようとするのではなく、自分の箱を探せ。
- 箱の中に入っているといって他人を責めるな。自分自身が箱の外にとどまるようにしろ。
- 自分が箱の中にいることがわかっても、あきらめるな。努力を続けろ。
- 自分が箱の中にいた場合、箱の中にいたということを否定するな。謝ったうえで、更に前に進め、これから先、もっと他の人の役に立つよう努力をしろ。
- 他の人が間違ったことをしているという点に注目するのではなく、どのような正しいことをすればその人に手を貸せるのかを、よく考えろ。
- 他の人々が手を貸してくれるかどうかを気に病むのはやめろ。自分が他の人に力を貸せているかどうかに気をつけろ。
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