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『僕が僕をやめる日』 松村涼哉

僕が僕をやめる日

松村涼哉

 立井潤貴は生きていく自信を無くし、自殺しようとしていました。木に紐をかけ首を吊ろうとしていたところに、高木健介という男が現れ、自殺を引き留められたのです。そして、彼の代わりに高木として生活して欲しいと提案されたのです。住むところや身分証明書を得た立井は、次の日から高木健介としての生活を始めました。

 立井は高木健介として大学へ通い、バイトをし、サークル活動にも参加し、普通の大学生のような自由な生活を送れるようになったのです。本当の高木健介は覆面作家で、それなりに小説は売れていて、次の作品のために毎日自宅で執筆活動をしていました。2人は同じ家で暮らし、友情のようなものも生まれてきました。

 2年後、突然本当の高木健介が失踪してしまったのです。立井は心配になって高木のことを探し始めます。わずかな手がかりから高木の実家を見つけて父親と話をして、そこで違和感を感じるのです。高木は犯罪者なのかもしれない!

 

 自殺したいと思う若者が増えています。それは人間関係の問題だったり、金銭問題だったり、自分の力ではもうどうしようもないと追い詰められてしまっている時に、この主人公のように、別の人として生きてみないか?と誘われたら、それに乗ってしまう人はきっといるでしょう。

 別の人として生きるということは、それ自体は犯罪です。それをわかっていても、別の人として生きていくという選択は魅力的です。

 今までのしがらみから逃れたいという思いから、名前まで変えないにしても、家族や知人のいる場所から離れて別の人生を歩もうとする人はいます。わたしは、そういうことをした人に会ったことがあります。そこまでしなければ生きてこられなかったんだよという話を聞いたこともあります。しがらみだらけの田舎でずっと辛い思いをひきずって生きるより、誰も知らない町で暮らす方がずっと楽だと言われたこともあります。

 立木に自分に成り代わって欲しいと依頼した高木の計画は最終的にはどうなったんだろう?と気になるラストでした。

 

 この物語のキーになっている無戸籍の子どものこと、ずっと問題になっているはずなのにちっとも法律が変わらないのは何故なのでしょうね。DVから逃れようとする人のために、戸籍の考え方をもっと柔軟にしていいと思うのですけど、現実に困っている人のことより家制度にこだわっている人たちが、法律を牛耳っているということなのでしょうか。

1955冊目(今年260冊目)

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