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『王女物語』 マリオン・クロフォード

王女物語
The Little Princesses
エリザベスとマーガレット

マリオン・クローフォード
Marion Crawford

中村 妙子 訳

 著者のマリオン・クロフォードは1932年に英国の王女エリザベスとマーガレット姉妹の家庭教師になりました。当時マリオンは25歳、もっと年長の先生が良いのではないかという声もあったのですが、ご両親(アルバート王子「後のジョージ6世」夫妻)の「若い女性の教師に教えてもらいたい」というご意見で決まったのだそうです。

 王女エリザベスが結婚するまでの17年間、マリオンさんは家庭教師としてご一家と共に生活をされました。

 以前観た映画「英国王のスピーチ」の時代のことが多く登場する内容だったので、あの映画のシーンを思い出しながらこの本を読みました。

 ご両親は、2人の娘たちをかなり自由に育てようとしていたのが良くわかります。学校に通っていないので、一般の子どもたちと触れ合う機会が少ないことを気遣って、近所の子どもたちと一緒に遊ぶ機会を作ったり、水泳や音楽を習わせたりしています。

 

 娘たちが生まれた頃は、おじい様のジョージ5世が英国国王でした。1936年1月にジョージ5世が亡くなり、長男のエドワード王太子が即位して「エドワード8世」となったのですが、離婚歴のあるアメリカ女性との結婚のために「国王からの退位」を決め、1936年12月次男であるアルバート王子が「ジョージ6世」として英国国王に即位したのです。

 2人の娘たちにとって、それは余りにも大きな変化でした。それまでは、一家四人での団欒を大事にしてきたのに、国王となった父母は急激に忙しくなりました。そして、第二次世界大戦が勃発し、両親と別の場所で暮らすことを余儀なくされてしまったこともありました。

 ロンドンも空襲されるような状況でしたが、国王一家はロンドンで暮らし、国民とともに生きると宣言されていました。この時期、エリザベス王女は女子国防補助部隊に所属し、赤十字の大型トラックを運転したりもしていたのです。

 こういう所が英国国民から愛される所以なのでしょうか。自分たちは王族であるという誇りを持つと同時に、一般国民と同じように耐えなければならない。努力しなければならないということを行動で示しているところが素晴らしいです。

 

 戦争が終わり、エリザベスが王女がフィリップ殿下と結婚されるタイミングで、マリオンさんは家庭教師を辞めて結婚したいと申し出たのだそうです。本当はずっといて欲しいけど、あなたも家庭を持って幸せになって欲しいからと、快く申し出を受け入れてもらえたそうです。

 この本の内容は、王家の人たちへの愛や尊敬に溢れていて、こういう国に生まれて幸せだというマリオンさんの気持ちがとてもよく表現されていると思います。

 とはいえ、この本が初めて出版されたのが1950年です。当時は、かなりいろんなことを言われたでしょうね。ここまで王家の人たちのことを事細かく記録し、本にしたというのは素晴らしいことだけど、勇気もいることだったと思います。

 性格は大きく違うけれど仲良い姉妹であるエリザベスとマーガレット姉妹。ご両親の深い愛。国王一家を支える多くの人達の真面目に働く姿。どこを読んでいても、ステキだなって思えるシーンばかりでした。

 読み終わったわたしの頭の中に「God Save the Queen」が流れてきました。

1974冊目(今年279冊目)

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