『旅する練習』 乗代雄介
もうすぐ中学生になるサッカー少女の亜美(アビ)と小説家の叔父さん、2人ともサッカー好きなので妙に気があう。ホントはサッカーの練習をしたいけどコロナ禍でそれもままならない。
亜美は、去年合宿へ行ったときに本を借りっぱなしになっていて、その本を返しに鹿島まで行きたいと叔父さんに相談してみたんです。電車でいっても面白くないから、叔父さんと2人で徒歩で鹿島まで行こうということになりました。普段は口うるさいお母さんも、叔父さんと一緒ならいいよと言ってくれました。
この旅には、それぞれが目標を決めました。亜美はサッカーボールのリフティング300回達成と、毎日日記を書くこと。叔父さんは、目にした風景を文章にすること。
亜美は男子に負けないくらいサッカーが上手い子です。リフティングも毎日練習して、どんどん上手くなってます。川で見かけた鳥や花の名前を聞いたり、川に落ちそうになったり、オムライスばっかり食べたがったり、面倒くさい奴だなぁっておもいながらも、そんな亜美が可愛くてしょうがない叔父さんです。
こんな徒歩の旅って羨ましいなぁって思います。それぞれに違う目標を持って、でも同じ目的地へ進むっていいなぁ。
人生には絶対に忘れてはならない二つの大切な言葉がある。それは忍耐と記憶という言葉だ。忍耐という言葉を忘れない記憶が必要だということさ by ジーコ
旅の途中で出会ったジーコさんが好きなのでアントラーズファンになったというみどりさんとの関わり方も面白かったなぁ。
それだけにラストは衝撃でした。えっ!という言葉しか出ませんでした。明日は何が起きるかわからないって、こういうことなのかな?
なんだかロードムービーみたいな感じで、さわやかさが残る作品でした。
#旅する練習 #NetGalleyJP
1990冊目(今年10冊目)
« 『本の声を聴け ブックディレクター幅允孝の仕事』 高瀬毅 | トップページ | 『時が止まった部屋 遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし』 小島美羽 »
「日本の作家 な行」カテゴリの記事
- 『朝読みのライスおばさん』 長江優子 みずうちさとみ 24-336-3362(2024.11.26)
- 『小さな出版社のつづけ方』 永江朗 24-284-3310(2024.10.05)
- 『小さな出版社のつくり方』 永江朗 24-271-3297(2024.09.22)
- 『町の本屋という物語』 奈良敏行、三砂慶明 24-257-3283(2024.09.08)
- 『本を守ろうとする猫の話』 夏川草介 24-246-3272(2024.08.28)
「NetGalleyJP」カテゴリの記事
- 『新書へのとびら 第1部 現代新書はいかにして現代新書になったのか』 魚住昭 24-347-3373(2024.12.07)
- 『朝読みのライスおばさん』 長江優子 みずうちさとみ 24-336-3362(2024.11.26)
- 『がいとうのひっこし』 山田彩央里 、山田和明 24-318-3344(2024.11.08)
- 『さよならの向う側 ’90s』 清水晴木 24-330-3356(2024.11.20)
« 『本の声を聴け ブックディレクター幅允孝の仕事』 高瀬毅 | トップページ | 『時が止まった部屋 遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし』 小島美羽 »
コメント