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『ヒイラギ荘の小さな恋』 チャールズ・ディケンズ

ヒイラギ荘の小さな恋
Boots at the Holly-Tree Inn

チャールズ・ディケンズ
Charles Dickens

金原瑞人(かねはら みずと)訳

ヨシタケシンスケ 絵

英国

 ヨシタケシンスケさんの絵に惹かれて、図書館で借りてきました。ディケンズを読むのは初めてです。

 ディケンズは中流階級の生まれだったのに、両親が金銭感覚に乏しいため貧しい子ども時代を送っていて、靴墨工場で働いていたことがあるそうです。そういう子ども時代の記憶が彼の作品に反映されているのでしょうね。

 結婚して子供にも恵まれたけれど、本当に好きだったのは結婚相手の妹で、若くして亡くなった彼女のことを忘れられなかった節があります。「ヒイラギ荘の小さな恋」は、そんな彼の気持ちが反映されているのかなぁ。まだ幼い2人が駆け落ちを考えるところは「小さな恋のメロディ」みたいだけど、熱意があるのは男の子だけってところが面白かったです。

 「信号手の話」はゾクゾクってする話です。昔はこういう話がたくさんあったんだろうなぁ。

 設定は色々だけど、追い詰められた人間の心理が見事に描かれています。そこまで行く前に止めればいいのに止められない人間の性を描くがディケンズは得意だったのですね。

 

この6篇が収められています。

・信号手の話
・チャールズ二世の時代に牢獄でみつかった告白
・追いつめられた男
・ゴブリンに連れ去られた墓掘り
・ヒイラギ荘の小さな恋
・黒いヴェールの女

2000冊目(今年20冊目)

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