ブログ内検索


  • ダメでもいいからやれ。
    体験もしないでお前ら、
    すぐに「ダメだ」って言うのは、
    学校で聞いただけの話だろう。
    やってみもせんで何を言っとるか
    (by 本田宗一郎)

読書Love!

  • 本が好き!
  • NetGalleyJP
    プロフェッショナルな読者
    グッドレビュアー 100作品のレビュー 80%

« 『文房具語辞典』 高畑正幸 | トップページ | 『大川の水』 芥川龍之介 »

『心と響き合う読書案内』 小川洋子

心と響き合う読書案内

小川洋子(おがわ ようこ)

 小川さんがラジオ番組で紹介されていた本の1年分(52冊)をまとめられた本です。どの本も小川さん好みだなぁって思えるものばかり。ファーブルの昆虫記もあれば、サガンの悲しみよこんにちはもあるという、バラエティに富んだものです。

 川上弘美さんの「蛇を踏む」の文章の中で、川上さんと小川さんの小説のモチーフの違いについて話したことがあるという部分が面白かったです。

川上さんが小説のモチーフにするものは、蛇だとか、蛸、モグラ、果物のビワといった、柔らかい感覚のものです。一方私の場合は、数字や、標本や、博物館など輪郭がかっちりしたものです。
川上さんは、ものや風景の輪郭をなくして、どんどん膨張させていくようなやり方で小説をお書きになっています。私は、最初から輪郭をはっきり決めて、その中にぐうっと集約させてゆく方向に向かいます。このようにベクトルが違うということをこの対談で発見して二人ともうれしくなったのです。(本文より)

 お二人とも不思議な世界を描くのがお得意ですけど、そのアプローチが全く違うのです。それをお互いに面白がっているところがいいですね。

 これまでに読んだことがある本も、小川さんはこんな風に読んでいたんだなぁと思うと、違う作品のように思えてくるものもありました。

 タイトルだけ知っていても読んだことがない本もいろいろありました。その中から、いつか読んでみたいと思うものもありました。わざわざ自分で読まなくても小川さんの文章だけでかなり分かったつもりになった本もありました(笑)

 面白い本がないかなぁと思った時に、自分が好きな作家さんが勧めてくれる本ならきっと大丈夫って思います。この本で紹介されていた本の中から、またステキな本に出逢えますように!

追記:私が読んだことがある本は52冊中16冊でした。

2002冊目(今年22冊目)

« 『文房具語辞典』 高畑正幸 | トップページ | 『大川の水』 芥川龍之介 »

本・書店・読書」カテゴリの記事

日本の作家 あ行」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 『文房具語辞典』 高畑正幸 | トップページ | 『大川の水』 芥川龍之介 »