『フジモトマサルの仕事』
フジモトマサルさんの絵、文章、どれをとってもとっても個性的です。でも一番個性的なのは彼自身の姿かもしれません。とてもオシャレな方なのだけど、どうだ~というようなオシャレさではなくて、まるで修行僧のような、清潔感のある姿にドキドキしてしまいました。
どのようにして絵を描いていたのかという制作風景が紹介されているのですが、これもまた独特な感じです。手書きにこだわっているわけではないのだけれど、微妙なタッチにはこだわっているのです。
同じ絵でも、単行本の時と文庫本の時では、線の太さを変えていたり。色を作る時には「CMY」の3色を全部使うのではなく、2色で色を作るようにしていたのです。そうすると色が転びにくい。つまり印刷した時に思わぬ色になりにくいという工夫だったようなのです。
インタビューの中で、なぜ動物の絵を描くのですか?という質問に、動物が好きということもあるけれど、人間を描くのが下手だからという回答をしていて、「いやいや、そんなことないですよ」と思うのです。
でも、動物の姿を借りた人間の表現って面白いなぁ、これこそがフジモトさんの世界だなって思います。
1994冊目(今年14冊目)
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