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『御社のチャラ男』 絲山秋子

御社のチャラ男

絲山秋子(いとやま あきこ)

講談社

 ジョルジュ食品の三芳部長は、陰でチャラ男と呼ばれています。

 入社した時にはそれなりな会社だと思って入ったのだけど、しばらくするとため息ばかり出てしまうこの会社。社長は悪い人じゃないけど、やるしかないんだという感じの人で、彼の古さがそのまま会社の体質になってしまっています。そんな会社の中で、チャラ男は新規事業をやりましょう。部署名も新しくしましょう。なんてこと言うだけで、そこで働く社員のことなんかまるで考えてない。夕方に突然「あれやっといてね」と言って、自分はさっさと帰っちゃう。しょうもないオヤジなんです。

黙って我慢していれば、自然と時代は良くなるものだと考えていた。フェアに扱ってくれる男性も一緒に働く女性の仲間もどんどん増えて、働きやすくなるものだと思っていた。
だが私は間違っていたのだろう。(本文より)

 会社の社員たちが口々にチャラ男のことを語っていきます。あいつは嫌だ~という人もいれば、そんなに気にしていない人もいます。奥さんは「彼の顔が気に入ったから結婚した」そうで、それ以外は気にしてないとか、浮気の相手だった女性からは「結局、自分のことしか考えてなかったのよね」と評価されてしまったり。真面目に働いてきた女性社員はチャラ男にも会社にも不満だらけです。

 

運命は必ずそのひとの弱点を暴きに来る

 確かにチャラ男ってどこにでもいるんだけど、自分の弱点をさらけ出せる人だったらそんなに嫌われることはないのよね。一生懸命に隠そうとしていた弱点。気がついていたけれど見ないことにしていた弱点。その弱点を突かれて逆切れしちゃったチャラ男さんは、周りの誰よりも自分のことをわかってなかったんだろうなぁ。

 このチャラ男さんは、自分の立ち位置をなんとか見つけられたから良かったけど、孤独になりがちなこういうオジサンの行末は心配だわ。仕事場にしか居場所がない人が、会社という飾りがなくなった自分の評価がどんなものかを、冷静に受け止められない人が問題を起こすことが結構あるものね。

 絲山さんが企業に所属していたころ、こういう人たちの扱いに困っていたのかなぁ?それとも上手くあしらっていたのかなぁなんて思いながらこの本を読みました。チャラ男も問題だけど、男社会ってのはもっと大きな問題だからなぁ。

2022冊目(今年42冊目)

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