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『こんなものまで運んだ!日本の鉄道』 和田洋

こんなものまで運んだ!日本の鉄道

和田洋(わだ ひろし)

 コロナ禍で通信販売や宅配は好調です。そうですよね、外出せずに買い物ができるし、重いものでも運んでくれるしね。今はトラック輸送が中心ですけど、かつては荷物を運ぶと言えば鉄道でした。

 総武線沿線に暮らしているわたしは、子供の頃から貨物輸送を身近に感じていました。駅の貨物受付に荷物を出しに行ったり、受け取りに行ったりしたこともありました。郵便物専用・新聞専用の列車や、競馬の競走馬を運んでいる貨車を見たこともあります。

 今ではオシャレな町になってしまった恵比寿だって、最初はエビスビールを出荷するための貨物駅だったのだし、青果市場のあった秋葉原や魚の卸売市場があった築地も、新宿駅だって栃木県から運んだ薪炭(しんたん)を扱う貨物駅でした。かつての国鉄にとって貨物は大きな部署だったのです。

 

 食品、家畜、美術品、現金など、さまざまなものを運んできた鉄道ですが、この本を読んで初めて知った「こんなもの」も運んでいたのです。

 たとえば、自動車を工場から消費地に運ぶのに、今は専用のトラックで運びますけど、かつては鉄道で運んでいたこともあるそうです。東日本大震災の時には、道路が寸断されてしまった地域へガソリンなどの燃料を運んだそうです。

 この本で初めて知ったのは、亡くなった方のご遺体を運ぶときは貨物として扱うということです。東京駅で暗殺された原敬首相は、特別車両で盛岡へ運ばれました。

 ベッドを車両に持ち込んで病人を運ぶときは二人分の運賃、死体輸送の場合は二人分の運賃+小荷物扱死体運賃という規定があったとは、ビックリです!

 運ぶというのとはちょっと意味合いが違いますけど、映画館仕様の車両もあったそうです。映画館を鉄道で持っていくという発想がスゴイと思います。

 

 すっかりトラック便に仕事を奪われてしまった感のある鉄道貨物ですけど、新幹線の空いた座席に生鮮品を積んで運んでいるというニュースを最近見ました。こういう形で貨物輸送が復活するとはねぇ。

 これから鉄道貨物はどうなっていくのか、とても気になっています。

2024冊目(今年44冊目)

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