『付喪神が言うことには』 三沢ケイ
梨花さんは生まれて初めて質屋さんに行きました。お金を工面するために、大事な万年筆を質入れしようと思ったのです。質屋さんのシステムが良くわかっていない梨花さんはこの店の真斗(まなと)さんとひと悶着あるのですが、結局ここでアルバイトをすることになったのです。
つくも質店は、文京区本郷にある無縁坂の途中にあって、目立たない店なんですけど、知る人ぞ知るお店らしいのです。お店に直接やってくる人は少ないけれど、ネットでの商売は結構繁盛しているみたいです。
梨花さんは、この店に来て不思議なことを知ってしまいました。大事にされたものには付喪神がついていて、普通の人には見えないんです。でも何故か彼女には見えてしまったのです。
付喪神がつくほど大事にされたものを買い取ったり預かったりしている質屋さんだから、この店では人と物との関りを大事にしてしています。付喪神たちがいろんなことを言うんですけど、みんな自分がついているものに誇りを持っていて、それを大事にしてくれている人を愛してるんだなって所がステキです。だから付喪神が嫌だという相手にはものを売らないという「つくも質店」は信用できる店だなぁって思います。
何にも知らないで質屋さんで働き始めた梨花さん、少しずつ物のことや、人のことを学んできましたね。誰かのためじゃなく、自分のために生きるということも分かってきたようだし、今までよりずっと楽しい人生が開けていきそうです。
真斗さんと梨花さん、2人とも甘いものが好きですね。おやつに食べるいろんな和菓子がおいしそうで、特にうさぎやさんのどらやきが食べたくなりました~!
この5話が収められています。
第1話 Monblanc マイスターシュティック
第2話 Van Cleef & Arpels アルハンブラ
第3話 Mikimoto パールネックレス
第4話 Clobetorotter サファリ
第5話 Patek Philippe カラトラバ
#付喪神が言うことには #NetGalleyJP
2005冊目(今年25冊目)
« 『アリエリー教授の「行動経済学」入門』 ダン・アリエリー | トップページ | 『転職の魔王様』 額賀澪 »
「日本の作家 ま行」カテゴリの記事
- 『沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳』 益田ミリ 214(2022.08.09)
- 『太陽のパスタ、豆のスープ』 宮下奈都 209(2022.08.04)
- 『ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ 扉子さんと空白の時』 三上延 207(2022.08.02)
- 『かえりみち』 森洋子(2022.07.22)
- 『同潤会代官山アパートメント』 三上延(2022.07.08)
「NetGalleyJP」カテゴリの記事
- 『川まつりの夜』 岩城範枝 出久根育 210(2022.08.05)
- 『ことわざから出会う心理学』 今田寛 211(2022.08.06)
- 『かえりみち』 森洋子(2022.07.22)
- 『お江戸豆吉 風雷きんとん 』桐生環 221(2022.08.16)
コメント