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『99人の小さな転機のつくりかた』 ビッグイシュー日本版編集部 編

99人の小さな転機のつくりかた

ビッグイシュー日本版編集部 編

大和書房

 まず最初に、ビッグイシューという雑誌をご存知ですか?

 この雑誌はホームレスの人の社会的自立を応援する雑誌なんです。現在の「ビッグイシュー日本版」は450円。230円が路上販売者の収入になります。この雑誌に連載されていたリレーインタビューをまとめて、この本が作られました。

人生のターニングポイントは実はそんなに劇的ではない。
むしろ誰にでも起きる日常の出来事が、その人にある決断を迫り、その人の背中を押していることが多かったりする。(本文より)

 人生の転機なんていうと、大きな何かがあったんじゃないかと思われることが多いけど、本人は意外とその時には気づいていないようなんです。でも、その何か、誰かの言葉とか、引越しとか、震災とか、それがきっかけになってその後の人生が変わっていくのです。

 ビッグイシューの創設者ジョン・バードは、知人だったザ・ボディショップのゴードン・ロディックからビッグイシュー創刊を相談されました。その時、そんなチャリティは嫌だと言って断ろうとしたのです。でもゴードンは、この企画はチャリティではなくビジネスとして成立するかどうか調査して欲しいのだと依頼しました。

 ジョンはホームレスの青年に、このストリートペーパーについて意見を求めたら、こんな返事が返ってきました。

「物乞いに比べりゃ何だってマシだよ」

 この言葉をスローガンにすれば、きっと上手くいくとジョンは確信したのです。そして、この雑誌は多くの人たちを自立させる役に立っているのです。

 

 自分には何も取り柄がないとか、才能がないとか、そんな風に自分にはなにもないと感じている人が多くいます。でも、そんなことはないんです。誰にだって何かしらの才能があるんです。自分にとってはそれが当たり前すぎて才能だと思えないことが結構あるのです。それを誰かが褒めてくれた時、お金を払ってでも頼みたいと言われたとき、初めて気が付くんです。これが自分の才能なのかってね。

 

 それまで当たり前だと思っていたことが、引っ越してみたら当たり前じゃないことに気付いたとか、足の骨を折って松葉杖を使うことになったんだけど、もっとカッコいい杖ないのかしら?って思ったり。これまでとは違う状況になった時に、フル回転でいろんなことを考えるようになるんじゃないかしら?

 駅の階段で転んで、将来の結婚相手に出会った人もいるし。模擬試験の会場で隣に座った子がかわいくて、その子と同じ学校へ行きたい一心で猛勉強して、同じ学校に入学できた子もいるし。(どちらもわたしの知人の話です)

 転機って、意外といろんなところに転がってるんじゃないかしら?

 そんなことを考えるヒントをくれる本でした。

2070冊目(今年90冊目)

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