『大奥 第19巻』 よしながふみ
男女逆転の大奥の物語がついに終わりました。16年もの年月をかけて語られた実にスケールの大きな物語でした。
はやり病で男性が大勢亡くなり、女性中心の社会が形成されたというところから物語が始まり、徳川家を存続させるために女性将軍が血筋を守ってきたわけですが、種痘の技術のおかげで病気が淘汰され、男性将軍が復活しました。
この最終巻では、大政奉還、無血開城が繰り広げられますが、西郷と勝の話し合いのあたりなど、きっとこのような会話がなされたであろうことを想像できてとても面白かったです。あの話し合いが上手くいかなかったら、江戸で戦争が起きていたかもしれないという、歴史の大きなターニングポイントだったのですね。
大奥を去る人たちのために、最後に催された花見はステキでしたね。大奥で見たり聞いたりしたことは絶対に他言無用という掟を守りつつも、あの光景を胸に秘めて、その後みなさんは生きていったのだろうなと思います。
明治の代になって、アメリカへ行く船で胤篤さんが出会った少女、梅さんは最年少の留学生でした。
国を動かす人物となるのは
あなたたちご自身でございます!
きっとなれますとも!
この胤篤にはそれが見えます!
この言葉は、梅さんに、そしてその後に続く女性たちへのエールなのだと、わたしは思いました。
よしながふみ先生、すばらしい物語をありがとうございました。
2068冊目(今年88冊目)
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