『84歳の母さんがぼくに教えてくれた大事なこと』 辻仁成
お前がまだ知らないものぜんぶを世界というのだよ
うわぁ、小学生の頃にこんなことを言われたら、じっとなんかしてられなくなるよねぇ。辻さんのお母さんは、自分が外に出られなかった分、息子には外の世界を見て欲しかったんだろうなぁ。どんなことでもいい、自分がこれだと思えるものを追求して欲しいという気持ちがこもったことばだと思います。
学校で寝てる子が学校で勉強せんで、塾でなんば勉強すると?
クラスの他の子たちがみんな塾に行ってるけど、自分も行った方がいいのかな?と質問した辻少年に、こんな答えを返すお母さんは凄いねぇ!教室で勉強しない子が塾で勉強しようって、それは本末転倒だよと諭すって、ホントに真っ当な考え方を持った人なんですね。
ひとなり。死ぬまで生きなさい。
どうせ生きるなら楽しく生きなさい。
与えられた一生はおまえのものだから。
お前には自分の人生を楽しく生きる権利があるとよ。
死ぬまで精いっぱい生きなさい。たった一度の人生やけんね。
誰にはばかることなく、生きてよかとよ。
独学でおいしい料理を作っていただけでも凄いのに、近所の人に教えていたお母さん。転勤族の妻として、きっと我慢だらけの毎日を送っていたのだろうけど、それだけでは終わらなかったお母さん。刺繍を極め、ついには教室で生徒を取るまでになったお母さん。
子どもたちに、人としてどうあらねばならぬかを説き続けたお母さん。
そしてお父さんに、わたしを人間として扱ってくださいと説いたお母さん。
この母にしてこの子ありなのでしょうね。辻さんの才能を伸ばすことができたのは、この母の力だと思うしかない!
そして、母がこんなにも素晴らしいと文章にした辻さんの愛は深いなぁ!
2062冊目(今年82冊目)
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