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    (by 本田宗一郎)

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『さざなみのよる』 木皿泉

さざなみのよる

木皿泉(きざら いずみ)

河出書房新社

2019年本屋大賞第6位

一万円選書 の中の一冊

ナスミはこともなげに、そう言った。
「もどりたいと思った瞬間、人はもどれるんだよ」

 ナスミさんは末期がんで病院のベッドにいます。家族は彼女のことだから、きっとしぶとく生き残るよって思ってました。

 ナスミさんはとてもエキセントリックな女性です。学生時代に家出を何度も繰り返したり、いろんな意味で目立ってしょうがない子だったんだろうなぁって想像できます。

 1フジ、2タカ、3ナスミって、言葉にしてみると面白いなぁ。親は良かれと思って付けた名前なんだろうけど、インパクトあり過ぎですね。

 登場するそれぞれの人が、ナスミさんとの思い出を持っています。雑なように見えてとても優しい人だったって、みんな思っています。同僚の不倫相手を殴ってしまったり、ダイヤモンドの指輪のこととか、不器用だけど誠実な心を持った人だったんですね。

 ナスミさんは亡くなってしまったけど、みんなの心の中に生きてるんだなって思ったら、涙が出てきました。

2055冊目(今年75冊目)

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