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『ババヤガの夜』 王谷晶

ババヤガの夜

王谷晶(おうたに あきら)

河出書房新社

 新道はかなり大柄な女、背が高いうえに筋肉ががっしりついているので普通の女物の服は着られない。だからいつも男者の服を着ている。両親はいなくて、祖父母に育てられた。喧嘩の仕方は祖父に習った。そこらのチンピラなら何人かかってきても勝てる自信がある。

 そんな規格外の彼女が暴力団に捕まえられて、会長の娘の護衛をすることになったのです。護衛される娘、尚子はそんな新道のことが気に入らず、まともに口もきいてくれません。

 新道が子どものころに、祖母から聞いたお話には鬼婆が登場するのです。どうも日本の鬼ではなく、ロシアのババヤガの話らしくて、その話を尚子が面白がって聞くようになったあたりから、2人に不思議な友情のようなものが芽生えてきたのです。それはきっと、男ばかりの暴力団の家の中で、たった2人の女が互いに共感する何かを見出したからなのでしょう。

 この本が気になったのは何と言ってもタイトルです。組曲「展覧会の絵」の「バーバ・ヤーガの小屋」からの連想なのかな?祖母が外人っぽい感じだし、新道にもロシアの血が流れてるのかもしれない。

 

 女性が主人公のハードボイルド作品って珍しいです。ワンピースのニコ・ロビンや、ミレニアムのリズベットも強いけど、新道は骨太な武闘派で、女っぽさがまるでないところがいいなぁ。とにかく戦う新道はカッコいいです。常に冷静で、喧嘩が大好きでしょうがないってキャラがいいですね。この作品はここで完結しちゃってるのかなぁ?ホントは新道と尚子のコンビで別の展開も見せてもらいたいなぁ、なんて思いました。

2084冊目(今年104冊目)

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