『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?』 高橋創 井上マサキ
多くの人が給与所得者で、会社が税務関係の手続きをやってくれてるから、日本人は税に疎いんだよねぇって思います。だから、いざ自分で税務申告をしなければならなくなると、どこまでが経費になるの?とか、遺産相続とか医療費控除ってどうなってるの?という疑問が湧いてくるんです。
この本では、昔話をたとえにして税金の考え方を教えてくれます。この本のタイトルにもなっている「桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?」の場合だと、鬼退治の手伝いをしてくれた「猿・雉・犬」に渡したきびだんごは給与扱いになるか?ということです。
最近の起業ブームで起業された方や、副業を始めた方が大勢いらっしゃるようですけど、税金の事ってこれまで考えてこなかったから、経費について悩んでいる方がきっと多いと思います。自宅で仕事をしている方の場合など、家賃や電気料金などをどこまで経費算入していいのか?とか、けっこう難しいですよね。
原価および経費(倉庫代、交通費、通信料など)を売上から差引いたものが利益となるわけですから、どこまでが経費として認められるのか?という線引きをキチンと知っておく必要があります。
この本を読んでみると、意外と多くのことについて知ることができます。「譲渡所得」とか「減価償却」とか、とても分かりやすく説明してくれています。
きっかけは1992年のバルセロナオリンピック。当時14歳で金メダルを獲得した岩崎恭子選手に支給された報奨金が、「一時所得にあたる」として課税されたんです。しかし、これがマスコミをにぎわせたことから、オリンピックの報奨金は所得税が課せられないことになりました。(本文より)
こういう制度が岩崎さんの件で新設されたことは、ここで初めて知りました。税法って毎年のように変わっているから、気をつけないといけないことが毎回あります。自分だけでは無理そうなことは税理士さんに相談してみることが大事だと思います。いろんなところで税務相談をやってますから、ちょっと質問してみると意外なことが分かったりするはずですよ。
2131冊目(今年151冊目)
« 『ヤクザときどきピアノ』 鈴木智彦 | トップページ | 『似ていることば』 おかべたかし やまでたかし »
「日本の作家 あ行」カテゴリの記事
- 『ボタニカ』 浅井まかて 25(2023.01.26)
- 『「一人で生きる」が当たり前になる社会』 荒川和久、中野信子 14(2023.01.15)
- 『ノッキンオン・ロックドドア』 青崎有吾 10(2023.01.11)
- 『チーズと塩と豆と』 角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織 358(2022.12.29)
「日本の作家 た行」カテゴリの記事
- 『貸本屋おせん』 高瀬乃一 27(2023.01.28)
- 『君は君の人生の主役になれ』 鳥羽和久 24(2023.01.25)
- 『ツナグ』 辻村深月 23(2023.01.24)
- 『ツナグ 想い人の心得』 辻村深月 26(2023.01.27)
- 『おいしいごはんが食べられますように』 高瀬隼子 3 (2023.01.04)
コメント