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『出会いなおし』 森絵都

出会いなおし

森絵都(もり えと)

文藝春秋

 人との出会いって不思議だなと思います。どこかで出会って、それで終わりかと思っていたら、どこかで再会して。運命の再会かと思ったら、そうでもなかったり。たった一度の出会いなのに、忘れられない人になってしまったり。

 

 この短編集の中で一番気に入ったのは「カブとセロリの塩昆布サラダ」でした。

 デパ地下で「カブとセロリの塩昆布サラダ」を買ったのに、うちに帰って食べてみたら入っていたのがカブではなくて大根だったのです。これ、どうなってるの?と思った主人公はデパートの売場に問い合わせの電話を入れたところ、そんなはずはないと否定されてしまったのです。ところが数時間経って、申し訳ございませんという電話が入ったところからドラマが展開していきます。あの店員さんとは二度と会うことはないだろうけど、一生忘れられない人になったのは間違いありません。

 こういう一期一会の出会いって不思議ですねぇ。わたしもこれまでに大勢の人と出会って、二度と会うことはないけれど、不思議に忘れられない人っていますもの。

 

 「むすびめ」は小学校の時の思い出を大人になってから回想しているんですけど、子どもの時には気がつかなかった事実が明らかになってというあたり、自分にもあるあるな話なのでとても面白かったです。あの時にはどう説明していいのか分からなかったということが、いつまでも胸の奥の方に残っているってこと。確かにありますね。

この6編が収められています。

・出会いなおし
・カブとセロリの塩昆布サラダ
・ママ
・むすびめ
・テールライト
・青空

 

2114冊目(今年134冊目)

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