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『目でみることば』 おかべたかし 山出高士

目でみることば

おかべたかし 文

山出高士(やまで たかし)写真

東京書籍

 ことばには語源があります。それが今は失くなってしまったものだったり、あるけれど余り身近ではないものになってしまっているものもあります。この本では、その語源となるものを写真で見せてくれるので、「なるほど、そういうことだったんだ!」と、納得してしまうものばかりなのです。

 

「引っ張りだこ」
人気があり方々から引き合いがあること

 この本の表紙に使われている写真は、引っ張りだこです。あっちこっちから引っ張られている感じが良く分かりますね。

 

「頭隠して尻隠さず」
雉は臆病なうえに飛ぶのが苦手なので、危機を察すると草むらなどに隠れる。しかし、首さえ隠せば、尾っぽが丸見えでも隠れた気になっている様からこの言葉が生まれた。

 このことばの語源が「雉(きじ)」であるということを初めて知りました。今は雉を見かけることはまずないですけれど、桃太郎にも登場するくらい、かつて雉は人々にとって身近な鳥だったのです。「けんもほろろ」ということばも雉のなく声「ケーン」と「ほろろ」から生まれているとはねぇ。

 雉は日本の国鳥に指定されていますが、捕食可能なのだそうです。国鳥が捕食可能というのは世界的に見てとても珍しいことだそうです。「きじやき」という調理方法は、雉がおいしいというところからその名が残っているのですね。

 

「阿吽の呼吸」
2人の行動や気持ちがぴったりと合っている様

 わたしがこのことばを初めて知ったは向田邦子さんの「あ・うん」だったと思います。狛犬やシーサーなど、阿吽一対のものをよく見かけますね。口を開いて出す最初の音と、口を閉じて出す最後の音であるため、万物の初めと終わりを象徴するものなのだそうです。向かって右に阿形(あぎょう)、左に吽形(うんぎょう)を置くのが決まりだそうです。

 

「灯台下暗し」
身近な事情ほどかえって疎いものであること

 この灯台は、海を照らす灯台ではなく、室内照明器具の灯台(ろうそくを灯す台)のことなのだそうです。これは見たことがない人の方がほとんどなので、勘違いしてしまうのもしょうがないかもです。

 

 様々な写真のおかげで、言葉の意味がとても良く分かります。


Tokugawaieyasu  「金字塔」がピラミッドのことであるとか、「贔屓」(ひいき)というのは、亀に似た中国の伝説の生き物だとか、知らないことがたくさんありました。

 贔屓は石柱や墓石を背負う形で造形されてきました。「贔屓の引き倒し」という諺は、この亀を引っ張りすぎると、上に乗っている石柱が倒れることに由来しているのだそうです。

 なるほどねぇ。

 

 この写真は贔屓の上に立つ家康像(江戸東京博物館)です。

2107冊目(今年127冊目)

 

目でみることば 2 

目でみることば 有頂天 

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