『似ていることば』 おかべたかし やまでたかし
似ていることばがたくさんあります。表紙になっている「フクロウとミミズク」なんて、その典型ですよね。どこが違うかは写真を見れば一目瞭然!ミミズクには耳のような羽角(うかく)があるのです。これは耳ではなく単なる羽なんです。英語ではどちらも「owl」で、区別されていません。
「足と脚」「卵と玉子」「アザラシとアシカ」「制作と製作」など、その違いを考えたことはあるけど良く分からないなぁというものや、考えたこともないものもありました。
わたしがこの本の中で一番「そうだったんだ~!」と思ったのは「林と森」です。これまでは林より森の方が規模が大きいという程度の認識だったのですが、実は違っていました。
林は「生やす」が転じたことばで、人が生やしているから林、森は「盛り上がる」が転じたことばで、自然と盛り上がっているから森とする説もある、つまり、人が意図して生やしているものが林、自然のままのものが森というわけだ。(本文より)
そんなこと考えたこともなかったなぁ。人の手が入っているかどうか?そこが違いなのねぇ。
卵と玉子も同じような考え方で、生まれたままの姿が「卵」で、それを調理したものが「玉子」なのだそうです。なるほどねぇ。
それと、もう一つビックリしたのが「菖蒲と花菖蒲」です。 菖蒲湯の時に使うあの葉っぱは菖蒲。いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)と歌にも歌われているのが花菖蒲。全く別物なのです。菖蒲園というのは花菖蒲を鑑賞する場所です。近年は花菖蒲のことを菖蒲と呼んでしまう事が多くなってますね。葉の形が似ているのでこのような名前になっているのだそうです。
ことばって面白いなぁ!
2132冊目(今年152冊目)
« 『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?』 高橋創 井上マサキ | トップページ | 『東京夜行(マテウシュ・ウルバノヴィチ作品集2)』 マテウシュ・ウルバノヴィチ »
「ことば・コミュニケーション」カテゴリの記事
- 『遺体と火葬のほんとうの話』 佐藤信顕 24-273-3299 (2024.09.24)
- 『英語多読』 繁村一義、酒井邦秀 24-173(2024.06.17)
- 『句点。に気をつけろ』 尹雄大 24-100(2024.04.05)
- 『言語の本質』 今井むつみ 秋田喜美 24-47(2024.02.17)
- 『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』 三宅香帆 361(2023.12.28)
「日本の作家 あ行」カテゴリの記事
- 『地獄へ行こか青江へ行こうか』 青江忠一 25-17-3413(2025.01.20)
- 『ヒストリエ11』 岩明均 25-9-3405(2025.01.11)
- 『世界は経営でできている』 岩尾俊兵 25-6-3402(2025.01.07)
- 『崑ちゃん・鎌田式老化のスピードを緩める最強の習慣!』 鎌田實×大村崑 25-4-3400(2025.01.05)
- 『新書へのとびら 第1部 現代新書はいかにして現代新書になったのか』 魚住昭 24-347-3373(2024.12.07)
「日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事
- 『みえるとかみえないとか』 ヨシタケシンスケ 24-368-3394(2024.12.28)
- 『異次元緩和の罪と罰』 山本謙三 24-349-3375(2024.12.09)
- 『がいとうのひっこし』 山田彩央里 、山田和明 24-318-3344(2024.11.08)
- 『おしごとそうだんセンター』 ヨシタケシンスケ 24-319-3345(2024.11.09)
- 『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』 椰月美智子 24-301-3327(2024.10.22)
« 『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?』 高橋創 井上マサキ | トップページ | 『東京夜行(マテウシュ・ウルバノヴィチ作品集2)』 マテウシュ・ウルバノヴィチ »
コメント