『さよならの向う側』 清水晴木
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか?」
「さよならの向う側」と呼ばれる場所にいた男、案内人はそう言った。
人は亡くなった時、最後に一日だけ現世に戻って
会いたい人に会える時間が与えられる。(書籍案内より)
そこは待合室のような乳白色の空間です。人が死んで、生まれ変わるまでの間の時間を過ごすためにここへやってきた人は、案内人に最後に誰に会いたいのかと聞かれます。ただし、その人の死を知っている人とは会えません。
昔の事を過去の過ちとして放っておくか、それとも自身の反省、成長の糧として受け止めるかは、今のあなた次第なんです。だから今を変えれば、過去は自分にとって良かったと思える過去に変えられるはずなんです。
あの人に会っておけばよかったと後悔を残さないために最後の1日、24時間を使ってよいというのです。
この5話が収められています。
第一話 Heroes 中学校の理科教師の彩子
第二話 放蕩息子 漆器職人の息子の山脇
第三話 わがままなあなた 幸太郎
第四話 サヨナラの向こう側 ペイパーバックのボーカル美咲
最終話 長い間 愛妻家の健司
それぞれが選んだ人には、いろんな思いがあるけれど、やっぱり会っておきたい人なんですよね。案内人さんが差し出す甘いマックスコーヒーの意味が、一番最後のところで分かった時に「そうだったんだ!」って思って、涙がこぼれてきました。
そういえば、あの人もマックスコーヒーを好きだったなぁ。
#さよならの向う側 #NetGalleyJP
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