『わが家は幽世の貸本屋さん 5 残月の告白と妖しい秘めごと』 忍丸
香織と水明は、あいかわらず不器用な恋をしています。でもそれがこの2人らしくていいのかもね。
手の届く範囲の相手に心を砕いて、一生けん命それだけに集中してごらんなさい。そうしたら・・・いつの間にか救われています。(本文より)
香織を母親代わりに育ててくれたナナシ、彼女にも悲しい過去があったのね。でも彼女を助けてくれたお雪さんのおかげで、とても強い人になりました。そして、彼女に教えてもらった愛を香織にそそいでくれています。
(一人でできることは小さくても)器が大きい人っていうのはね、手をつなぐ相手がたくさんいる人のことを言うんだわ。
双子の烏天狗の金目と銀目、東雲さん、ナナシ、犬神のクロ、みんないい奴なんだよねぇ。彼らだってそれぞれに悩みや苦しみを持っているけれど、毎日を必死に生きているから、明るく生きていけるんだろうなぁ。
なんでも願いが叶うし、不老不死の身体を手に入れられる人魚の肉というのが今回のキーワードなんだけど、そういうものを欲しがる人っていつの世にもいるのよね。でも、本当にそうなった時に失ってしまうものもあるということに気がついた物語屋の玉樹さんの運命のことを考えると、確かに辛いなぁ。終わりがあるということの大事さもあるんだなぁ。
ラストに出てきた東雲さんの身体の具合が気になるんですけど、次作はそこから始まるのかしら?
#わが家は幽世の貸本屋さん5 #NetGalleyJP
2119冊目(今年139冊目)
わが家は幽世の貸本屋さん あやかしの娘と祓い屋の少年
わが家は幽世の貸本屋さん 2 偽りの親子と星空の約束
わが家は幽世の貸本屋さん 3 黒猫の親友と宝石の涙
わが家は幽世の貸本屋さん 4 春風の想いと狐面の男
わが家は幽世の貸本屋さん 5 残月の告白と妖しい秘めごと
わが家は幽世の貸本屋さん 6 無二の親子と永遠の約束
« 『ネコとカレーライス スパイスと秘密のしっぽ』 藤野ふじの | トップページ | 『さよならの向う側』 清水晴木 »
「本・書店・読書」カテゴリの記事
- 『気がついたらいつも本ばかり読んでいた』 岡崎武志 324(2023.11.21)
- 『あしたから出版社』 島田潤一郎 308(2023.11.05)
- 『これはわたしの物語 橙書店の本棚から』 田尻久子 299(2023.10.27)
- 『書店員X「常識」に殺されない生き方』 長江貴士 277(2023.10.05)
- 『<読んだふりしたけど>ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』 三宅香帆 267(2023.09.25)
「日本の作家 さ行」カテゴリの記事
- 『からさんの家 まひろの章』 小路幸也 332(2023.11.29)
- 『黒と白のあいだで 翔の四季 秋』 斉藤洋 320(2023.11.17)
- 『吼えろ道真』 澤田瞳子 328(2023.11.25)
「NetGalleyJP」カテゴリの記事
- 『訂正する力』 東浩紀 326(2023.11.23)
- 『京都を歩けば「仁丹」にあたる』 樺山聡 京都仁丹樂會 327(2023.11.24)
« 『ネコとカレーライス スパイスと秘密のしっぽ』 藤野ふじの | トップページ | 『さよならの向う側』 清水晴木 »
コメント