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『一日江戸人』 杉浦日向子

一日江戸人

杉浦日向子(すぎうら ひなこ)

新潮文庫

新潮文庫の100冊 2021

 図解付きのこの本、とっても楽しいです。江戸の人たちがどんな暮らしをしていたのか?どんなものを食べていたのか?そういうところも面白いけど、なんといっても江戸っ子の心意気が面白いです!

 宵越しの鐘は持たない江戸っ子ですけど、そもそもが働くのがあんまり好きじゃないってところがいいですねぇ。物価が安かったから、そんなにあくせくしなくても食べていけるという前提があって、正業がなくてアルバイトだけでもけっこうお金を稼げるっていいですね。現代よりゆとりがあったんだなぁ。坂道で重そうな荷車がいたら、それを後ろから押してあげればお金をもらえるなんて、羨ましい時代です。

 そんな力仕事をするのは嫌だからって、閻魔様に扮したりした大道芸で小遣い稼ぎしちゃうというのも、なかなかステキ!こういう自由さが江戸のいいところだったんですね。

 

 江戸っ子と言えば「道楽」ですよねぇ。新内を習うんでも、男の先生に習うのは「稽古」、女の先生に習うのは「道楽」って、なるほどねぇって膝を叩いちゃいましたよ。ウチの近所の材木屋のおじさんも言ってましたよ。「オイラ道楽息子だったからさ、みゆき族やってたんだぜ!」江戸っ子の心意気は今も生きてます。

 

 「江戸見物(硬派編)」は、ぜひ真似してみたいです。

 芋坂の角の「羽二重団子」を食べて、上野寛永寺へ行き、不忍池を巡って湯島天神。南へ回って神田明神へ。甘酒の天野屋さんで一休み。昌平橋の先の漢方薬の「紀伊国屋」で「午黄丸(現・午王丸)」などを買い求めます。日本橋の方へ進んで、鎧橋の「釜屋商店」で「もぐさ」をお土産に。兜町から永代通りをまっすぐ大手町へ、皇居に至ります。二重橋、桜田門と歩いて、桜田通りを芝に向い、芝神明に詣でます。ここで愛らしいお守り「千木箱」を求めて浜松町へ。日の出桟橋から水上バスで隅田川を北上して浅草へ到着!

 なんてステキな江戸見物なんでしょう!行程は約17㎞、江戸時代のお上りさんの気持ちになって歩いてみたいです。Tigibako

2155冊目(今年175冊目)

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