『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』 宮崎伸治
30代のころの私は、次から次へと執筆・翻訳の依頼が舞い込み、1年365日フル稼働が当たり前だった。その結果、30代の10年間で50冊ほどの単行本を出すに至った。が、そんな私もふと気がついてみれば、最後に本を出してから8年以上も経っていた。―なぜか?私が出版業界から足を洗うまでの全軌跡をご紹介しよう。(内容紹介より)
急いでいるからと言われてギリギリの状態で翻訳を終えて原稿を渡したのに、翻訳料を値切られたり。いつまでたっても出版されないので、いつですかと聞いたら逆切れされたり。最初はそんなことは言ってなかったのに、出版間際にゴースト翻訳(違う人の名義での翻訳)にしてくれと言われたり。
それも1社や2社じゃないんですよ!あの出版社も、この出版社も、あれは口約束だからとか、それくらい飲むのが当然でしょうなんていうところがたくさんあってビックリです!
翻訳の労力とか、文章力などには全然興味なくて、支払うお金の額を減らす事ばかり言ってくる編集者との攻防は、読んでるだけでヘトヘトになってしまうほどです。どうして、こんな発想が出てくるのかしら?ケチなことを言うなら最初から言ってよ!
弁護士を立てるからと言ったら相手がビビッて、初めてちゃんとした話し合いができるようになったなんてのは良い方で、調停をいれることにしたのに相手が調停期日に3回連続で来なかったり、とにかく約束(契約)を守ろうとしない人が多いのは何故なのでしょうね?
最初のころは翻訳の仕事ができるからと我慢していた宮崎さんが、人の仕事を何だと思ってるんだ~!ってブチ切れてしまったのもしょうがないです。
翻訳という仕事は特殊技能なのに、どうしてこんなに軽く見られてしまってるのかしら?出版界の理不尽さに驚いてしまいました。
そんなこんなで宮崎さんは翻訳の仕事は辞めてしまいました。同じような思いをしている翻訳家さんも大勢いるのかなと思うと、何だか悲しくなってしまいます。どうして日本はブラック企業だらけなのかしらねぇ。
2140冊目(今年160冊目)
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