『東京夜行(マテウシュ・ウルバノヴィチ作品集2)』 マテウシュ・ウルバノヴィチ
マテウシュ・ウルバノヴィチ
ポーランド出身。アニメ製作会社コミックス・ウェーブ・フィルム入社後は、アニメ監督・新海誠氏のもとで、映画『君の名は。』など数々の作品の背景美術を手がける。(著者について より)
マテウシュさんが東京の町を歩きながら見つけた、気になる景色を描いた画集です。
夜の町は、昼とは違う表情を見せてくれます。無機質なマンションの姿も、雨に濡れた秋葉原の街角も、いつもと違う顔を見せてくれます。見慣れた景色のはずなのに、不思議な輝きを見せてくれます。それは夜の闇のおかげで余計なものが見えないせいかもしれないし、ライトアップの光がスポットライトのように建築物を際立たせてくれているのかもしれません。
水彩で描かれた景色は、都会の夜の静けさを際立たせてくれます。同じ景色を写真で撮ったら、こんな雰囲気は出ないだろうなぁ。
画集の後半では、彼がどのように絵を描いているのかも見せてくれています。ロケハンをして写真を撮り、気に入った風景や構図を決めていきます。現実通りに描いている部分もあれば、ちょっと変えてあるところもあります。
彼が描く風景は写実だけれど、それだけではない何かが宿っているような気がします。それは、その風景に対する愛もあるし、自分の気持ちも乗せているからなのかなぁ。
2133冊目(今年153冊目)
« 『似ていることば』 おかべたかし やまでたかし | トップページ | 『短編画廊』 ローレンス・ブロック編 »
「デザイン・アート・写真」カテゴリの記事
- 『くらべる東西』 おかべたかし 山出高士(2022.07.18)
- 『怖い絵』 中野京子(2022.07.02)
- 『美貌のひと』 中野京子(2022.06.25)
- 『東京タイムスリップ1984↔2021』 善本喜一郎(2022.06.09)
- 『サンダーバード完全写真資料集成』 スティーブン・ラリビエー(2022.05.18)
「日本の作家 あ行」カテゴリの記事
- 『時代の変わり目を、やわらかく生きる』 石川理恵 28(2023.01.29)
- 『ボタニカ』 浅井まかて 25(2023.01.26)
- 『「一人で生きる」が当たり前になる社会』 荒川和久、中野信子 14(2023.01.15)
- 『ノッキンオン・ロックドドア』 青崎有吾 10(2023.01.11)
コメント