『目で見ることば 有頂天』 おかべたかし 山出高士
青写真
「完成の予定図」という意味で使われるこの言葉ですが、青写真(青焼き)の図面は滅多に見ることがなくなりました。たまに古い図面とか、戸籍謄本で目にすることがある程度です。わたしが高校生のころ、コピー機はまださほど普及していなくて、青焼きの方が値段が安かったのです。ブラスバンド部だったわたしは、楽譜を青焼きしに近所の文房具屋さんへ何度も行ったものです。
追分
道が二手に分かれる場所です。わたしにとって一番身近な追分は、新宿の「追分団子」です(笑)
かつては内藤新宿と呼ばれていたの宿場町の、甲州街道と青梅街道の分岐点(現在の新宿3丁目駅あたり)が追分と呼ばれていたのです。
狸寝入り
困った時に寝たふりをするという狸寝入りですけど、漁師に追われたタヌキはビックリして気を失っている場合もあるそうです。都会に出没するタヌキは、素早くて狸寝入りなんかしてませんが、狸寝入りする人間は増殖中!
英語では fox sleep つまり狐寝入りと表現するんですって。英国ではタヌキよりキツネの方が身近な動物ということなのでしょうか?
丸くなる
年を経て穏やかな性格になることを丸くなると言いますが、その語源が柊なのです。
柊の葉のトゲトゲは刺さると痛いですよね。それが樹齢を重ねるごとに減り、ついには丸くなるのですって!若葉のころは柔らかくて食べられやすかったりしたのでしょう。だから身を守るためにあの形になったらしいです。ある程度大きな木になると、そういう心配がなくなるので葉が丸くなるって、すごいなぁ!
ことばの語源がなくなって、そのことばも忘れ去られてしまうこともあれば、ことばだけが残る場合もあります。元々の意味をよくわからないまま使っていることばが色々とあります。
ふとしたきっかけで、そんなことばの語源を知って、そういうことがあったのかと昔に思いを馳せるのもいいなぁと思うのです。
2158冊目(今年178冊目)
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