『ぼくのお父さん』 矢部太郎
大家さんと僕で、内気でのんびりした性格が有名になった矢部さんですが、その性格や絵を描く才能はお父さんから引き継いだものであることが、この本の中から滲み出してきます。
近所の子ども達にとっては「面白いおじさん」「楽しい遊びを教えてくれるおじさん」という評価でしょうけど、家族にとってはけっこう困った性格の人だったのでしょうね。お母さんが時々爆発していたのはとてもよくわかります。
絵を描く仕事だから家にずっといるのは構わないけど、家事もそれなりにこなしてくれているのもいいけど、絵を描きたいと思ったらどうにも止まらないところは凄いというか、なんというか?
お母さんが夕ご飯のおかずに出してくれたタケノコの絵が描きたいからといって、絵を描き終わるまで待たされる身になってくださいよ。おかげで冷たいご飯を食べる羽目になってしまう家族の不満はつのります(笑)
カメラで写真を撮るようになって、これでもう大丈夫かと思ったら、やっぱり絵に描かないとダメだというお父さん(汗)そのこだわりが作品に生かされればいいんですけど、なかなか作品が出来上がらないお父さん。
今となっては楽しい思い出にできる部分もあるけど、お母さんは大変だったよねぇ。そんなお母さんが大好きだという矢部さんです。前よりは親孝行できるようになったかな?
2169冊目(今年189冊目)
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