『言えないコトバ』 益田ミリ
そういうコトバがあることは知っているけれど、自分としては使えないコトバというのがあります。ミリさんがそんな風に思っているコトバが、この本の中でたくさん紹介されています。
そんな中で、わたしにとっての言えないコトバは「おひや」とか「あおいそ」とかかしら。「おひやください」って言われたら、「おひやですね」と答えることはできるけど、自分から言うことはないなぁって思います。
若いころは全く気にもせず使っていた「おばさん」「おじさん」というコトバを、最近使えないなぁと思うことが増えてきました。パット見て「おばさん」と思った人が、自分より若いということが多いんですもの。やっぱりこのコトバは自分より年上の人に対して言うことだよなぁって思うんです。でも、今やわたしより年長者って「おばあさん」「おじいさん」ですからねぇ(汗)
昔八百屋さんをやっていたわたしの伯父が、女性のことは全員「おねえさん」と呼んでいたことを思い出しました。八百屋さんに買い物に来る女性に「奥さん」とか「おばさん」って呼んでしまうと、いろいろと不都合が起きるということに気づいてから「おねえさん」に統一したんですって。小学生でも100歳でも「おねえさん」であれば問題ないよって言ってたなぁ。
最近気になるのは「お」をつけ過ぎだなぁってことです。例えばシャツを買おうかなと見ているときに「違うお色もございます」なんて言われると、どうにもむず痒い感じがするんです。何にでも「お」をつければ丁寧って思ってるような人から物は買えないなぁと思ってしまうのです。
それと「拝見させていただきました」というような謙譲語の使い過ぎの言い回しもなんだか気持ち悪いですねぇ。(正しくは「拝見しました」)意味も分からずに敬語や謙譲語を重ねている言い方って、誰が流行らせたのかしら?
やたらと外国語(もどき)を使いたがったりということも多くて、それは「言えないコトバ」ですというものが世の中に増えていて、困ったものですねぇ。
2170冊目(今年190冊目)
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