『ふつうな私のゆるゆる作家生活』 益田ミリ
ミリさんのお仕事は、編集者と話をするところから始まることが多いのですね。初めて会う編集者さんがどんな人なのか?ドキドキしながら打ち合わせに出かけます。
編集者さんにも、いろんな人がいます。なぜか自分のことばかり話す人、他の作家の悪口を言う人、何を考えているんだかわからない人。そういう人たちと会うたびに、いろんなことをミリさんは感じます。
他の作家の悪口を言うような人は、よそではわたしの悪口も言ってるんだろうなぁとか、自分が渡したすでに出版された本の上に肘をついて話をするような人とは仕事したくないなぁとか。そりゃそうですよね、信頼できない人と一緒に仕事をするのはイヤですもの。
素敵な編集者さんだと、ただ話をしているだけでも、新しいアイデアが生まれてきたり、やる気が起きたりします。だから、この人のためにがんばろうって気持ちも生まれてきます。
ミリさんは、こういうのどうですか?と提案されると、それを断るのが苦手のようです。「今までやったことないけど、できるって言っちゃったからやるしかないよね」という気持ちでやってみたことが、意外といい結果が出ることが多かったようですね。
自分に何ができるのか?何が得意なのか?って、自分で分かっていないことが多いのかもしれません。だから、訳も分からず飛び込んでみると、割とできてしまうのかもしれません。もしも上手くできなかったとしても、それはそれで一つの勉強って思えばいいのだし。
とにかく、やってみなければわからないことが世の中には沢山あるってことなのです。
くよくよするのも、グズグズするのも、自分らしさだってわかることが大事だよって、いつもミリさんは教えてくれます。
ミリさんが作品の中でテーマとしている、ふつうの女性が感じること、考えていること、それはみんなミリさん自身が体験してきたことから生まれてきたんだな。だから、すぅっと胸に収まるんだなということがわかる本でした。
2179冊目(今年199冊目)
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