『彼女は食べて除霊する』みお
小百合さんは除霊師です。除霊をして欲しいという依頼がかかると、何かの思いを残してこの世にいる幽霊を一人でも助けたいと思っているから、小百合さんは依頼を断ることはほとんどありません。
普通の除霊だとお祈りをするとか、お札を貼るとかなのですが、彼女の除霊の仕方は違います。幽霊となった人の思い出の食事をするということで除霊をするのです。
彼女の父親が失踪してしまい今はボディーガードをしてくれるシェパードのケンタと一緒に暮らしています。ケンタは今は犬の姿をしているけれど元々は人間で、彼も除霊師なのです。小百合はケンタと共に、除霊の仕事を続けています。
食べ物の記憶は、その人の家族や友人との記憶とつながっています。幼いころに作ってもらったあの味。仲の良い友達と共に食べたあの味。その味は幸せの象徴なのです。その幸せを失ってしまったから、この世に未練が残るっていうのは切ないですね。
その幸せから見放されたという気持ちを抱えた亡霊がこの世には大勢いるらしくて、小百合さんにはそんな人たちが見えていて、すれ違うたびに声をかけたりしているんです。
どんな思いを抱えているのかを教えてもらわないと除霊できないから、小百合さんは悩みながらも仕事を続けています。
ケンタが犬の姿をしている限り決して言わないだろうけど、小百合さんのことを大好きなんだろうなぁ。いつの日か彼が人間の姿に戻る日が来るのかしら?ということは、続編もありそうですね。
#彼女は食べて除霊する #NetGalleyJP
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