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『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』 桜木紫乃

俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

桜木紫乃(さくらぎ しの)

KADOKAWA

第13回 新井賞受賞

 名倉章介くんは、釧路のキャバレー「パラダイス」で働いています。ここに来るまでまともに働いたこともなかったのですが、ここの店は居心地がよくて4年も続いています。

 年末年始に、このお店に芸人さんが3人来ることになったのです。マジシャンのチャーリー片西(師匠)、シャンソン歌手のソコ・シャネル、セクシーダンサーのフラワーひとみ、3人ともキャバレー周りの仕事を長年やってるベテラン感にあふれた人たちでした。訳あって、この3人と同じ屋根の下で暮らすことになった章介くんです。

 3人ともワケアリな感じだし、口は悪いし、でも心優しい人たちでした。それぞれの身の上話を聞いていると、なんだか切なくなってくるのです。それまで家族というものに疎遠だったのに、章介くんは彼らが家族のような気持になってきたのです。

 

 ビッグバンドが入るような大きなキャバレーって、昔は全国にたくさんあったんですよね。だから、キャバレー周りの歌手とか芸人さんも大勢いました。そんな中から八代亜紀さんや青江三奈さん、細川たかしさんのような有名な歌手も生まれたんです。

 わたしの父はオーダーの婦人服店をやっていたんですけど、最初のころは無店舗で、キャバレーのおねえさん相手の商売をしていたといっていました。「新世界」にはおねえさんが大勢いて、洋服をたくさんオーダーしてくれたから、店を出せるようになったんだよって言ってました。

 

 約1か月という短い期間だったけど、4人は不思議な連帯感を持てたのね。契約期間が終わって、それぞれに次の場所へ旅立っていくシーンは、なんだかウルっとくる感じでした。もう二度と会うことはないだろうけど、記憶の奥底にずっと残っていくんだよね。だから、ラストシーンにはビックリしちゃった。人生にはいろんなことがあるんだね、章介くん!

 この物語、懐かしさと、ほろ苦さと、希望があって、とっても好きだなぁ。

2172冊目(今年192冊目)

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